ライター:hatao
こんにちは! ケルトの笛屋さん管楽器担当のhataoです。
ティン・ホイッスルの高音の音色が悲鳴をあげているような音がする、きれいな音で吹きたい、という声をいただくことがあります。そこで、今回はいくつかのヒントをお伝えします。
ティン・ホイッスルの第二オクターブは、息のスピードを高めることによって発音します。単に息を強く吹くだけですので、楽器経験のない方でも簡単に吹くことができます。
その仕組みについて説明します。
マウスピースのウィンドウェイは固定されていて一度に通過できる息の量は変わらないため、単純に投入する息を増やせば、息のスピードが上がります。水道の蛇口をたくさん開けると、出てくる水のスピードが上がるのと同じ原理です。息の量を増やすには、たくさん息を吸って一度に吐く、つまり横隔膜を大きく動かせば良いのです。
ただし、こうして力任せに高音域を発音しても音が濁ってしまいます。「悲鳴をあげているような音」とは、この現象を指しているのだと思います。
きれいな音で吹くには、アンブシュアが調整も必要です。口の中を「おー」のように広げるのではなく、舌の真ん中あたりを上顎(口蓋)付近まで近づけて、「ひゅー」と言う時のように狭くすることで息の流れを整えてスピードを高めることができます。ここまで読んだ方は実際に、「おー」と「ひゅー」を声に出していってみて、舌の場所を確かめてみてください。なお、低音域は「おー」というように口の中を広めにすると音色が整います。
また、高音域を明確に発音するために、タンギングを強めにします。「ポン!」と弾ける感じです。
タンギングを強くすることで息の出だしが整い、息のスピードが一瞬増しますので、第二オクターブが出やすくなります。そうやって第二オクターブで発音ができたら、さきほどの速いスピードの息を吹き続けて、第一オクターブに転落しないように保つのです。