「はじめよう!アイリッシュ・セッション第五版」の選曲 hatao

ライター:hatao

拙著「はじめよう!アイリッシュ・セッション」(2018年初版)が第五版を重ねることとなり、4月に発売されます。

世界一わかりやすい曲集を目指してデザインした本書は、アイルランド音楽のセッションでよく演奏される人気曲を中心に100曲を収録、理論解説に続く各曲の楽譜では、曲の来歴や異なるヴァージョン、参考音源、解説動画へのQRコードを掲載しており、国内で広く利用されています。

「この1冊があれば外国の曲集は必要ありません」と謳っているとおり、アイルランド音楽のスタートを切るための最適の一冊となっています。この1冊をまるごと覚えれば、セッションデビューも遠い絵空事ではありません。

この曲集の選曲の背景についてお話しします。

私の30年近くのアイルランド音楽経験から、セッションでよく演奏される曲とヴァージョンは頭の中に入っていました。スタンダードとも言える曲は100曲では収まりませんので、同じキーや似た曲ばかりにならないように熟考して厳選しました。また、実際にアイルランド音楽セッションで演奏される曲の大半はリールとジグ(ダブル・ジグ)です。市販の外国の曲集も、実際を反映してリールとジグばかりを収録しており、これではアイルランド音楽の全体像がわからないばかりか、初めての異なるリズムに戸惑うことが予想されます。また、セッション曲は初心者には難易度が高く、難しいイメージを持たれる恐れもあります。そこで、リールと各種ジグの合計を60曲程度に収め、残りはアイルランド音楽で演奏されるあらゆるジャンルのダンス音楽とスロー・エアーで構成し、「最初の20曲」には初心者に取り組みやすい平易な曲を中心に選曲しました。

若干妥協しなければいけなかった点は、アイルランドで演奏されるワルツの多くは近年になって作曲されたものや、アイルランド以外の国で作曲されたもので、アイルランド音楽とはいえないものであることです。また、InisheerやDa Slockit Light(シェトランド曲)など、国内のセッションで人気のある曲は著作権の都合で含めていません。

今回第五版の改訂にあたって、収録曲を初めて入れ替えました。理由があって収録していたものの実際のセッションではあまり演奏されない7曲を、より演奏頻度の高い曲に入れ替えたり、これまで収録していなかったHighlandやSchottischeといったジャンルの曲に変えています。

さて、このたび「セッション本」付属のアプリが登場します。曲の学習を計画的に進めるための「世界一使いやすいアプリ」を目指して、各曲のページには楽譜と曲の背景ほか、ギター伴奏つきの参考音源、伴奏のみ音源、メロディのみ音源、教則動画へのリンクなど豊富な資料にアクセスできます。現在の収録曲は本書収録の100曲のみですが、今後は50曲単位で曲を追加購入できるようになります。

「はじめよう!アイリッシュ・セッション第五版」はこちらからご予約ください。4月上旬の発送となります。


The First Tune Book はじめよう!アイリッシュ・セッション 第五版 2026年版

どうぞお楽しみに!