いよいよGW突入!
ということで、皆様お待ちかね「手作りティン・ホイッスル」完成への道のり後半戦をお届けします!
前回のおさらい
前編では、「ホイッスル全体の成形」までを解説しました。
https://celtnofue.com/blog/archives/1213
ティン・ホイッスルは手作りできる!
穴開け、チューニング編
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いよいよ肝心の穴開けです。
今回は指孔の位置が一番自分の指に合わせやすいDのティン・ホイッスルにマスキングテープを貼り、穴の位置をペンでなぞるという方法で一種のテンプレートを作りました。
カッターマットや定規などに指穴の位置を写したマスキングテープを貼り付け、中心に縦の線を引きます。(写真36)
この時、マスキングテープは、見本のティン・ホイッスルに貼る時も自作のホイッスルに貼る時も歌口の一番下から貼り始め、まっすぐに貼ることを忘れないでください。(写真37)
▲写真35、36、37
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次は電気ドリルを使いますので十分注意して扱ってください。
正確な位置に穴を開ける為、最初に細めの2mmか2.5mmのドリルビットを使います。
テンプレートの印の部分に6か所とも穴を開けます。(写真38)
▲写真38
この段階でテンプレートははがしてしまってかまいません。
1mmずつドリルビットを太くしていって、4.5mmか5mmまで全ての穴を広げてしまいます。(写真39は4.5mm)
▲写真39
この穴の大きさではどれも音が低いので、これから段々と音の高さを確認しながら各指穴を広げていきます。
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ここでまたチューナーの登場です。
全ての穴をふさいでD(レ)の音が出るのを確認してから、下から一本ずつ指を離し、下からE(ミ)、F♯(ファ♯)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)、全部離したらC♯(ド♯)が出るまで、一つずつ指孔を広げていく作業を続けます。
チューナーに表示される音のずれ具合にもよりますが、0.5mmか1mmずつ根気よく広げていくのが良いです。
必ず下から順番に、一度に一つの穴だけ作業してください。
一つの音が完成するごとに、全部ふさいだDからできた音まで一音ずつ確認しながら進めます。
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写真40はDからAまでの指孔をチューニングしたところです。
残りの二つの穴よりも大分大きい穴があります。
売っているティン・ホイッスルもそうですが、下から2番目の穴が一番大きくなります。
今回は直径9.5mmでした。
写真41は全ての指孔が正しい大きさになったところです。
▲写真40、41
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指孔を全てふさいだところから1音ずつ開けながら、1オクターブ吹いてみましょう。
きれいな音が出たでしょうか?
今度は少し強めに吹きながら、2オクターブ目(高い音)を出してみます。
全部の音が出ましたか?
もし一番上の二つか三つの音が上手く出ない、またはひっくり返るようなら、指孔をきちんとふさげているかどうか確認して、息の強さも調整しながら何度か吹いてみます。
それでもだめなら、歌口が広すぎる可能性があります。
丸棒を上から少しだけ押しこんで歌口を少し狭くしてみてください。
マウスピース部分のパイプも丸棒の下端に合わせて下げるかどうかは、音の出具合と音色の好みによります。
微調整をして2オクターブ目まできれいに音が出るようにしましょう。
仕上げ編
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15で丸棒の位置を変えた場合は、必要に応じてマウスピース部分にもう一度やすりかサンドペーパーをかけるなどして、3つのパーツ全ての表面の高さを揃え直します。
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いよいよ最後の工程です。
ドリルで開けた穴の周りにあるギザギザや出っ張りをダイヤモンドやすりで滑らかにします。
演奏のしやすさにも影響しますので、丁寧に仕上げをしましょう。(写真42)
▲写真42
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さあ、これであなただけのホイッスルの完成です!(写真43、44)
▲写真43
▲写真44
早速お気に入りの曲を吹いてみましょう!
▲写真45
▲写真46
▲写真47
製作者のご紹介
今回資料をご提供いただき、このページ作成にご協力(というか全監修)いただいたのは…
お名前:Ling WhistleMakerさん (笛作りのリン)
問い合わせ先:LingWhistleMaker@gmail.com
自己紹介
- 猫3匹とともに静岡県在住。
- ケルト音楽が大好き、きっかけは敬愛するウェールズ人歌手のメリー・ホプキン。
- 大学時代を英国ウェールズで過ごし、ティン・ホイッスルに初めて触れる。
- 数年前からホイッスルの自作を始める。
- 笛作りをしていない時は主に英日翻訳と翻訳チェックの仕事にいそしんでいる。
出典 Ling WhistleMakerさん YouTubeチャンネル