アイリッシュ・フィドルを始めよう−この素晴らしい曲から！

2024年10月9日

アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、「フィドル初心者におすすめの曲」について紹介している記事を許可を得て翻訳しました。

原文：To Learn The Irish Fiddle: Start with this Great Tune

アイリッシュ・フィドルを始めよう− この素晴らしい曲から！

アイリッシュ・フィドルの初心者は、初めて楽器を演奏する際に多くの困難に直面します。アイリッシュ・フィドルで良い音を出すためには、多くのことに注意しなければなりません。

まず、弦が正しくチューニングされていることを確認する必要があります。次に、弓の持ち方を正しくする必要があります。その後、指が正しい位置で弦を押さえるようにします。これは本当に難しいことだが、向き合う価値はあります。しかし、これだけ多くのことをこなさなければならないのですから、自分の楽器に合った曲を選ぶことが大切です。例えば、フルート初心者の曲をフィドルで演奏するのは、フルート奏者よりも難しいかもしれません。逆もまた然りです。今から紹介する曲は初心者のフィドル奏者のために厳選されたものですので、アイリッシュ・チューンのレパートリーの素晴らしい基礎を与えてくれるでしょう。それでは始めましょう！

理想的な初心者向けフィドル曲とは？

フィドル初心者のための理想的な曲の条件は、弓の動きを最小限にするために、弦をあまり跨がないで済むことです。また、指板上での指の動きも限定的であるべきです。これらすべての要素を念頭に置いて、3つの曲を選んでみました。実際、どの曲も演奏に必要な弦は2本だけです。

ケリー・ポルカ（Kerry Polka）、コンサーティーナ・リール（Concertina Reel）、ヒューモアズ・オブ・トゥラ（Humours of Tulla）は、アイルランドの伝統的なフィドル音楽の世界では根強い人気があります。

The Kerry Polka

出典 https://blog.mcneelamusic.com/

ケリー・ポルカThe Kerry Polkaは、イーガンズEgan’sまたはペッグ・ライアンズPeg Ryan’sとしても知られ、初心者ミュージシャンに最も人気のある曲のひとつです。しかし、注意しなければならないことがあります。世界中のトラッド・ミュージシャンがこの曲を知っているとはいえ、セッションでこの曲を始めるのはお勧めできません。この曲は初心者ミュージシャンによって演奏されすぎていて、経験豊富なミュージシャンなら、もう一回聴いたり演奏したりすることになったら、気が狂ってしまうかもしれません。

とはいえ、この曲はフィドルで学ぶには便利な定番曲ですので、リストに加えました。この曲は、初心者の方でも弾きやすい生き生きとした良い曲で、これからフィドルを始める方と一緒に演奏しても楽しめるでしょう。

この録音は、まだついていくには少し速いかもしれませんが、ポルカが通常演奏される速度のヒントを与えてくれるでしょう。指を動かすモチベーションになれば幸いです。

The Concertina Reel

出典 https://blog.mcneelamusic.com/

コンサーティーナ・リールConcertina Reelは、その名前とは裏腹に、実はコンサーティーナ初心者向けの曲ではありません。バンジョーやフィドルを弾く人に向いています。だから、このリストに入っているのです！

この軽快なリールでは、繰り返しの音符のボウイングに必要な練習ができます。メロディーを弾くのに必要な弦は2本だけ。A弦の開放弦（指板を押さえないA弦）も効果的に使うので、初心者の方にも親しみやすいリールです。素晴らしいフィドル奏者、ファーガル・スカヒルFergal Scahillの手による演奏です。

The Humours of Tulla

出典 https://blog.mcneelamusic.com/

The Humours of Tullaは一般的にはD調で演奏されることが多いのですがが、The Humours of TullaはG調（ト長調）の方が初心者に優しいのです。このバージョンはD線の開放弦を使うので、左手の指の動きが少なくて済みます。伝説的なフィドル奏者、マーティン・ヘイズMartin Hayesがこの素晴らしいヴァージョンを録音しています。彼はより一般的なニ長調でこの曲を録音していますが、それでも巨匠の演奏を聴き、この曲のメロディーを頭に叩き込むには、一聴の価値があるでしょう。