今日2月10はフルートの日!
ということで、アイリッシュフルートを選ぶ際のポイントをお伝えします♪
少ない予算で始めたい方
低価格でも木のものを使いたいという方は、木製フルートとしては珍しく10万円未満で購入できる楽器として、Morneaux(モルノー)の楓製フルートがお勧めです。
シンプルですが合理的な設計で、音が鳴らしやすいです。
Musique Morneaux アイリッシュ・フルート D管(楓製)
アメリカの老舗メーカーSweetheart社の後継者ジョゼフ・モルノー氏による木製(かえで製) アイリッシュ・フルート D管です。
またポリマー製の楽器は品質がよく、木と変わらないほどの演奏性能を実現しています。
Galeonはシンプルな外見ですが音響工学をもとにした非常に良く鳴るフルートです。
指の幅を狭くしたLarsenモデル、薬指の孔をずらして押さえやすくしたオフセット モデルがあります。
Galeon アイリッシュ・フルート D管 スタンダード・モデル(ポリマー製)
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のフルートです!
Galeon アイリッシュ・フルート D管 オフセット・モデル(ポリマー製)
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のフルートの、指孔が押さえやすい位置に配置されたオフセット・モデルです!
!お勧めできない楽器!
木のものだからといって、パキスタン製の3万円程度のフルートは購入しないようにしましょう。
音程も鳴りも悪く使い物にならないばかりか、評判が悪く売却が難しいです。
キーのついたフルートが必要な方
キーについては、こちらをお読みください。
半音階を演奏するためにキー付きフルートを購入したいという方は当店で取り扱っているLehartの6キーフルートがおすすめです。
Lehartは納期が短くキー付きフルートとしては比較的安く購入することができますし、6キーがあれば、すべての半音階をスムーズに演奏できます。
Gilles Lehart 6キー付き 木製アイリッシュ・フルート
フランス・ブルターニュの定評のあるフルートメーカーGilles Lehart製の6キー付きアイリッシュ・フルートです。
当店としては、Gilles Lehartのほかに、若干価格は高くなりますが、Dave Copleyを推薦しています。
納期は3ヶ月ほどです。
他の職人のフルートは待ち時間が半年~数年かかることがあります。
以下に、6キーフルートの参考となる価格を掲載いたします(2016年の価格)。
Paddy Ward 2200 USD
Dave Copley 2565 USD
David O’Brian 1700 EUR
Martin Doyle 2360 EUR
Hammy Hamilton 3290EUR
上記は比較的入手がしやすい職人ですが、 Chris Wilkes、Patrick Olwell、Stéphane Morvan、Pol Jezequel、など人気の職人は納期が2年以上かかるでしょう。
当店ではフルートの輸入代行サービスを行っており、お客様のご希望どおりのフルートを手に入れるお手伝いをしております。
8キーが欲しい方
8キーとは、通常の6キーに加えて足部管に低音のCとC#専用のキーが付いたフルートのことを指します。
これらのキーはアイルランド音楽には不要であり、また価格が高く製作の難易度が高いため、8キーフルートを作っている職人は多くありません。
お勧めはDave Copleyですが、Hammy Hamilton、Thomas Aebi、Pol Jezequel、Peter Worrellなどが製作しています。
価格は40万円~70万円程度となります。
輸入代行サービスでご相談に応じています。
Peter Worrell 8キー付き アイリッシュ・フルート D管 木製
英国の管楽器製作家Peter Worrell ピーター・ウォレルさんによる8キー付きアイリッシュ・フルートD管です。
チューニング・スライドはあったほうがいいの?
チューニング・スライドとは頭部管と管体それぞれの内部に組み込んだ2本の薄い金属の管のことです。
これらの管を抜き差しすることでフルート全体の音程を調節できるようになります。
チューニング・スライドはフルートの発展の過程において19世紀から使用されるようになりました。
チューニング・スライドがないものも頭部管を引き抜くことで音程を下げることはできます。
しかしチューニング・スライドがないフルートは、頭部管を引き抜いたとき本体の管の厚みのぶんだけ内部に空間が生じてしまいます。
この空間が倍音の音程を狂わせてしまうのです。
そのため、第二オクターブの音程をアンブシュアで調整しなくてはなりません。
チューニング・スライドを備えていれば、演奏中にフルート全体の音程をすばやく変えることもでき便利です。
「捨て孔」があるのとないのがありますが、どう違いますか
右手の薬指の先に、指でおさえられない2つの孔が空いているフルートがあります。
この孔を「捨て孔」と呼ぶことがあります。
これらの孔は、20世紀初頭の8キー付きフルートの名残りで、それぞれ低音のC#とCに対応し、低音域を拡張させるためのものでした。
アイルランド音楽ではこれらの低音が必要ではないので、キーを最初から付けずにフルートを製作する際も、そのまま孔を残しているのです。
この孔があることで、2つの効果があります。
一つは、Dの音質を他の音に比べて飛び抜けないようにすることです。例えばEのときに開ける右手薬指の指孔は大変小さく、Eはこもった小さな音量の音です。
それに対して、Dを吹くためにすべての指孔を閉じると息は筒の先から出るのですが、筒の直径は大きいので、Eや他の音に比べて格段に太く強く鳴ります。
このままでは音階がデコボコしてしまうので、捨て孔から息を逃がすことで、他の音との差が大きくならないようにしているのです。
もう一つの役割は、重心の安定です。
フルートは左手の人差し指の付け根で支えますが、捨て孔がないと筒先が短くなり、重心が左に偏ります。
現代のアイリッシュ・フルートでは捨て孔が最初からないものもあります。
この設計のメリットは、全体の長さが短くなり重量が軽くなることと、材料費が安めになることです。
また、アイルランド音楽ではD調の曲が多いため、Dが強く鳴ることはむしろ重要なことですから、捨て孔のないフルートはアイルランド音楽には適しているということになります。
Martin Doyle 木製アイリッシュ・フルート D管(スタンダード・デザイン)
アイルランドのフルート製作家Marin Doyle マーティン・ドイル氏によるアフリカン・ブラックウッド製アイリッシュ・フルートD管です。
Martin Doyle 木製アイリッシュ・フルート D管(ケルティック・デザイン)
アイルランドのフルート製作家Marin Doyle マーティン・ドイル氏によるアフリカン・ブラックウッド製アイリッシュ・フルートD管です。
Galeon アイリッシュ・フルート D管 スタンダード・モデル(ポリマー製)
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のフルートです!
Galeon アイリッシュ・フルート D管 オフセット・モデル(ポリマー製)
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のフルートの、指孔が押さえやすい位置に配置されたオフセット・モデルです!
Galeon アイリッシュ・フルート D管 チューニング・スライド付き(ポリマー製)
Galeonのポリマー製アイリッシュ・フルートのチューニング・スライド付きです。
小さな手に適したフルート
小さな手でも演奏しやすいフルートには3つのデザインがあります。
- 指孔が小さいこと
- 指孔の間隔が狭いこと
- 指孔が直線状ではなく指に合わせて並んでいること(オフセット)です。
Galeon アイリッシュ・フルート D管 オフセット・モデル(ポリマー製)
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のフルートの、指孔が押さえやすい位置に配置されたオフセット・モデルです!
アメリカのDavid Copleyはこれらの注文に対応したフルートをオーダーメイドで製作しています。
アメリカのCasey Burnsのフォーク・フルートは予めこれらの特徴を備えたデザインになっています。
また、ポリマーフルートのGaleonにはオフセット・モデル、指孔の小さなLarsenモデルがあります。
Musique Morneauxのフルートも比較的指孔が小さく抑えやすいです。
Musique Morneaux アイリッシュ・フルート D管(楓製)
軽いフルート
軽さを重視するのであれば、以下のことを考えましょう。
・素材
例えばアフリカン・ブラックウッドよりもポリマーが、ポリマーよりもカエデ材が軽いです。
・金属を可能な限り使わないこと
チューニング・スライドやリングやキーなど金属部品を使わなければより軽くなります。
・木材部分がより少ないこと
捨て孔がなく先端が短いものはより軽くなります。
Musique Morneaux アイリッシュ・フルート D管(楓製)
アメリカの老舗メーカーSweetheart社の後継者ジョゼフ・モルノー氏による木製(かえで製) アイリッシュ・フルート D管です。
ワシントン条約について
希少な動植物の保護を定めたワシントン条約(CITES)が平成29年1月2日から改定され、当店で販売している楽器に使用されている木材も一部が対象となりました。
当店のアイリッシュ・フルートやアイリッシュ・ピッコロに使われているアフリカン・ブラックウッドやローズウッドについては保護対象となります。
演奏家が自分の楽器を国外に持ち出す場合は付属書Ⅱの解釈15のb)「船積ごとの合計の最大重量が 10kg 以下の非商業的輸出」の扱いとなり、制限を受けることはありません。
しかし、国によって対応が異なる場合がありますので、税関で証明を求められた際のために、購入時の領収証やCITESの輸出許可証を楽器と一緒に携行しておくと良いでしょう。
CITESの輸出許可証については2017年10月以降に当店に輸入した商品については、ご請求いただければPDFのデジタルデータをお送りすることができます。
なお、帰国時は輸入にはあたりませんので、問題はありません。