ライター:まりお:京都field店 店長
こんにちは。
4つの楽器でローテーションを組みながらアイルランド音楽を練習するのがマイブームのマリオ店長です。
突然ですが、曲を覚えるのに苦労したり、覚えた曲を忘れてしまったという経験はありますか?
僕は職業的にアイルランド伝統音楽を覚える機会が多いのですが、音符がびっしりと詰まったリールやジグを覚えるのは、なかなか根気がいります。
せっかく覚えた曲なのに、久々に演奏するとグダグダになっていることもしばしば。
なるべくこのような思いはしたくないですよね。
もし同じような経験をされた方がいましたら、僕が実践している練習法を参考にしてみてください。
1つのテクニックとしてお役立ちできるかもしれません。
今回お話させていただく内容は、面倒くさがり屋な僕の体験に基づくものなので、演奏を生業にしたりプロフェッショナルな方は首をかしげるかもしれません。
とはいえ誰にでも「面倒くさがり屋さん」の一面があるはずです。
ですので、職業・年齢・経験・関係なく、いろんな方に参考にしていただけたら嬉しいです。
覚えにくい曲を見極めよう
「覚えにくい曲=難しい曲じゃないの?」と言われたら「はい、そうです」と答えるしかないです。
ですが人間は機械と違って「気分」だったり「環境」にとても左右されやすい生き物です。
気分や環境がよければ難しい曲でも乗り越えることができます。
簡単な曲でも気分や環境が悪ければ覚える効率がぐんと落ちます。
「曲の難易度」は決定的なバロメーターになりえません。
では「難しい・簡単」よりも普遍的な要素はあるのでしょうか?
思索してみると、とても人間らしい理由が思い浮かびました。
それは「その曲が好きな曲であるかどうか」です。
1+1=2のようなシンプルな考えですが、シンプルゆえに普遍的だと思います。
好きな曲は何度も聴くし、聴いてないときも頭の中で想起するものです。
脳科学の観点だと、何度も聴いたり頭で想起することで、脳の海馬が必要な情報と判断し、大脳皮質に転送し記憶化します。
音楽は「頭の中で想起しやすい」性質や「作業しながら聴ける」という強みがあるので、記憶するまでのフローに負荷がかかりにくいと考えられます。
音楽を普段の生活に能動的に取り込むことは難しいのでしょうか?
僕はそうは思いません。
僕は電車の中でずっと音楽を聴いています。
学生の頃もそうでした。
あの頃聴いていた曲がいまだに口ずさめるのは何故でしょうか?
それは能動的に再生、想起して長期記憶化したからです。
ところが学生時代に苦労して丸暗記した文字の羅列は今となってはほとんど覚えていません。
テストが終わると同時に、再生(勉強)と想起するのをやめてしまったからです。
以上のことを踏まえると、覚えにくい曲は「再生や想起がほとんどされてない曲」と考える事ができます。
ほとんど想起されない曲とはどんなものでしょうか?
あまり好みではない曲の確率が高いのではないでしょうか。
では、好みでない曲を効率よく記憶するにはどうすればよいのでしょうか?
それは「その曲の良いところ」を見つける努力をすることです。
好みでない曲から良いところを見つけることで感性が豊かになり、能動的に想起することで記憶化までのフローがスムーズになる。
そうなれば素晴らしいと思いませんか?
好みじゃない曲を好きになってしまう魔法
好きでない曲なんて覚えなくていいじゃん!と思われそうですが、そういうわけにもいきません。
僕の場合、アイルランド音楽のセッションでよく出てくる曲を練習するケースもあれば、ごく稀にイベントで演奏する曲を練習することもあります。
アイルランド伝統音楽と一言で括っても、その中には多種多様な個性があります。
当然、曲の好みも分かれます。
ですので「他者視点」で選曲されたものを練習してもイマイチ気分が乗らないのは仕方ないことです。
こんなときは勉強をやっている感じが強くなって、インセンティブが低い状態に陥りがちです。
練習に打ち込むことで段々と好きになっていくことはあるけども、そこにいくまで負荷を感じます。
もう一例あげますと、音楽教室などで練習する曲は、ほとんど他者視点です。
ではどのようにして練習前にインセンティブを高めるのか。
マリオ店長流は「好きな演奏を見つける事から始める」です。
練習する前に理想の演奏を見つけるのです。
YouTubeでアイルランド伝統音楽の曲名を検索すると、たくさんの演奏動画がヒットします。
その中から好きな演奏を見つけて、その演奏をゴールに設定できたら、しめたものです。
伴奏動画でもよいでしょう。
主旋律を練習する場合でも、好きな伴奏動画があれば高いモチベーションで練習できます。
演奏動画が見つからなければ音源でも大丈夫です。
メタルアレンジされたものや、打ち込みでの曲でもOKです。
あなたの琴線に触れる演奏やアレンジされた音源を見つけてください。
きっとそれは「想起のトリガー」になるでしょう。
僕はこの過程が一番大切だと考えています。
イメージトレーニングできない格闘家が勝てない理屈と同じように、想起できない曲を記憶するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
もしかしたら演奏を生業にしている方は、「華麗に演奏する未来の自分」を緻密に想像してインセンティブを高めているのかもしれません。
このフェーズまでいけば、より能動的なマインドになるのかもしれません。
でもその境地に行くまでは練習を積み重ねる必要があると考えています。
僕はここを目指したいです。
もちろん楽しく練習しながら。
おわりに
今回は精神論的な側面が強かったですが、次回は僕が実践している具体的な練習方法について書きます。
冒頭でも述べたように僕はとても面倒くさがり屋なので「なるべく簡単に覚えれて忘れにくい方法」にスポットを当てています。
楽器が大好きな音楽愛好家の皆さんに参考にしていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。