ライター:まりお:京都field店 店長
こんにちは。
最近NETFLIXを契約して「進撃の巨人」を一気見しているマリオ店長です。
今回は「アイリッシュの曲を記憶に定着させる方法」の後編です。
前編はこちら。
僕が失敗を重ねて辿りついた練習法ですので少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。
「根詰めて一日がんばって練習したのに数週間後には忘れてしまう」
むかし僕はこんな失敗をよく起こしていました。
みなさんにもそんな経験はありませんか?
これはテスト直前に短期記憶で勝負するやり方によく似ています。
徹夜の勉強は大変なのに効率が悪くて、しかもリターンが少ないので結果的に損した気分になります。
例えば演奏を1日5時間頑張って練習したとしましょう。
そのあと1か月間放置して、また同じ曲を弾くことは簡単でしょうか?
きっと至難の業です。
この表のように人の記憶は減衰していきます。
1時間後には56%、1日後には67%、6日後には75%もの記憶が脳のメカニズムによって忘れ去られると言われています。
ちなみに1か月後は約80%の記憶が減衰するとされています。
しかしこれらのタイミングで復習すれば長期記憶化しやすいので、ぜひ曲線に沿って復習のプランニングをしていきましょう。
忘却曲線を意識して長期記憶化する練習法
もし5時間練習するのであれば、一日集中型はやめて、1時間×5回の定期復習型がオススメです。
1時間であれば体への負担も少なくて済みますし、習慣にも取り入れやすいと思います。
復習のタイミングは「これが正解」という決定版のようなものは見受けられません。
僕はさまざまな記憶法に関する書籍を出されている和田秀樹さん式を取り入れることにしました。
それは「10分後、24時間後、1週間後、1か月後、6か月後」に復習するというものです。
僕はこれにアレンジを少し加えて「24時間後、3日後、1週間後、1か月後」に復習しています。
僕は1回につき1時間の練習をするので、和田秀樹さん式の「10分後の復習は」除外されます。
10分後というのは、おそらく英単語などの短い情報を振り返るときの為のものです。
復習の目安は4回~10回です。
僕のアレンジ版は3日後に復習を挟むので、1か月で計4回の復習ができます。
1か月間で長期記憶化を目指したプランニングです。
この方法によって5時間まとめて練習するよりとても効率よく覚えられます。
僕はいくつもの楽器をローテンションして練習していますが、1つの楽器で練習する方は、1回あたり20~30分でよいのかもしれません。
すると20~30分の練習を1か月に計5回です。(最初の1回+復習4回)
忙しくされている方でも隙間時間にできるのではないでしょうか。
覚えにくいフレーズは再生アプリで100回リピート
100回リピートというのは流石に冗談ですが、難しいフレーズでも100回リピートすれば脳裏に焼き付くという意味で書きました。
みなさんはお手持ちの音源をどのようにリピートしますか?
昔の僕は、PCのメディアプレイヤーで「10秒前に戻る」ショートカットボタンを何度も押して繰り返し聴いてました。
この方法だと、毎度キーボードをタイプしなくてはいけません。
そのたびに楽器から手を放します。
しかもテンポの速いアイルランド音楽のReelやJigで「10秒戻るボタン」なんて押してたら、BパートからAパートまで遡ってしまいます。
たとえ「3秒前ボタン」があったとしても、ロスが出ます。
これではあまりにも効率が悪いです。
そこでオススメするのは「Amazing Slow Downer」という音楽再生アプリです。
このアプリの優れているところは
- 部分ループ機能
- 細かいスピード調整
- キーチェンジ
の機能が非常にスムーズに動かせる点です。
例えばループしたい部分だけ2タッチで「エンドレスループ」させられます。
わざわざ巻き戻しボタンを押さなくても、聞きたいフレーズだけをループさせ続けられます。
スピード調整は25%~200%まで1%単位で動かせます。
ピッチ調整は上下1オクターブを半音単位で動かせます。
さらに半音を100で割った細かい単位で動かすこともできます。
原曲の音程が数セント高くて気になるという音感の強い方のニーズにも対応できます。
僕は4小節ずつ分けてループ再生しながら、楽器でなぞって練習します。
聞き取りずらい場合はワンタッチでスロー再生して聞き取れるまで繰り返します。
音を聞き取る練習にもなって一石二鳥です。
再生アプリの決定版といっても過言ではないので是非活用してみてください。
有料版で1840円しますが、練習の効率化を考えるととてもお買い得です。
音名で曲を暗記してしまう
これは複数の楽器をする人に特にオススメしたい方法です。
笛の運指を覚えても、それ以外の楽器に応用が利きません。
そこで「音名」というどんな楽器にも通ずる共通言語を使います。
音名にはイタリア式の「ドレミファソラシド」や、英米式の「CDEFGAB」や、日本式の「ハニホヘトイロハ」などがあります。
僕は馴染みのある「ドレミファソラシド」で覚えています。
アイルランド音楽は「ファ#」がよく出てきます。
出てくるたびに「ファのシャープ」と読んでいては日が暮れてしまいます。
ですのでドイツ音名のファ#を言い表す「フィス」をさらに省略して「フィ」と読むことにしました。
例えばサリーガーデンの最初のメロディーを「レミフィ~ミレミ~」と頭で覚えてしまえば、その音名をなぞって、どんな楽器でも指を動かすことができるのです。
もちろんあらかじめ音名と各楽器の運指をリンクさせる必要がありますが、一度覚えてしまえば便利ですよ。
複数の楽器で同じ曲を覚える
僕はフルート、バンジョー、アコーディオン、コンサーティーナなどでローテーションを組んで練習することがあります。
「ストイックに練習してるんだな」と思われそうですが、むしろ逆です。
1つの楽器を集中して練習するのが苦手で途中で飽きてしまいます。
そんな飽きっぽい僕でも、複数の楽器でローテーションすると1時間の練習があっという間です。
前述したように音名で覚える方法が大活躍します。
マンネリ化しませんし、オマケに強固な長期記憶がついてきます。
誰かと約束する
少し本質とずれるかもしれませんが「約束」の力をぜひ練習に取り入れてみてください。
「楽器が好きだから」という理由と「練習すること」には何の相関関係もありません。
人は目標と締め切りがないと易きに流れる性質があります。仕事でも、締め切りがないと緊張感が生まれません。
もちろん休みの日にダラダラするのは悪いことではないですし、僕もついダラダラしてしまうことがあります。
でも、どうせなら効率よく練習したいので、思い切って締め切りを作ってしまうことにしました。
僕の場合は「誰かと約束する」ことで締め切りを作ってしまいます。
例えば「この曲、次会ったセッションしましょう!」と友達やお店に来たお客さんと約束してしまいます。
すると「約束したし、あの曲練習しよう」という「目的」と「締め切り」の意識が働くようになります。
友人やお客さんとセッションする自分をイメージすることでモチベーションアップにも期待できます。
おわりに
僕は常にストイックになりすぎないように心がけています。
それは「最初は気合だけでストイックに続けられたけど、徐々にしんどくなってフェードアウトする」という昔に失敗した勉強やダイエットからの教訓です。
特に音楽は楽しんでなんぼ!なので、これからもそこは貫きたいと思っています。
もしみなさんのオススメの練習法があれば、ぜひコメントで教えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!