ライター:ネットショップ 店長:上岡
聖パトリックさんはすごく昔の方です。
お生まれは西暦387年、もし生きてたら今年で1634歳のおじいちゃんですね。
ちなみに名前はパトリキウスさん(パトリックでもないんかい)。
生まれはローマ帝国下のウェールズ。
英語読みでパトリック、ちなみにニックネームはパディ、もしくはパティなんだそうです。
主にアイルランド文化に近い人はパディ、アメリカ文化に近い人はパティと呼ぶ傾向があるそうです。
そんな話はさておき、その昔、聖人を祝う日は、その聖人の方が亡くなった日と相場が決まっていたようです。(つまり3月17日はパトリックさんが亡くなられた日)
そしてそういった日にはレッツパーリー的なことよりもむしろ、その聖人を思い、教会で静かに祈りを捧げて日々の行いを反省する、そんな伝統だったそうです。
そして、アイルランドの人たちが聖パトリックさんを祈るためにその日を祝日としたのが9世紀ごろのお話。
この静かで厳粛なしんみり系のイベントが、次第にごちそうを食べてみんなでワイワイするイベントに変わったんです。
ここには、ちょっとした理由がありました。
カトリックには復活祭というとても大きな祝日がありまして、敬虔なカトリック信者のみなさんは、その日までにまあまあの期間の断食(まったく食べられないわけではなくて、ルールがちゃんとある。つまり多少は食べられるけど、とても慎ましい量)をする伝統があるんですね。
復活祭というのは年ごとに日付が変わるそうですが、たとえば2020年は4月12日、2019年は4月21日、2018年は4月1日と、まぁざっくり4月界隈です。
つまり3月17日という聖パトリックさんの祝日はその約2〜数週間前(つまり断食期間中)ということになっています。
そこで、日々の生活もツラいってのに、断食まで重なったら大変だよー!というみなさんの要望に、誰かがふわーっとお応えして「聖パトリックの日は特別な日だし、その日ぐらい好きに飲み食いしてもOKってことでいきましょうか」というルールに変わっていったそうです。
そうなると、断食中に唯一好きなものを食べられる日として、人気が上昇しちゃいますよね。
アイルランドの歴史はツラさ度数が高めですが、そのツラさ度数+断食の救いの日のような感じで定着していた日を、移住先での信じられない苦労を忘れる日に選んだというのは自然な流れだったのかもしれませんね。