アイルランド音楽を学ぶ子どもへのアドバイス


出典 https://www.conalograda.com/

アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から「若い頃からアイルランドの伝統音楽を学びたい方とご両親へのいくつかのアドバイス」についての記事を許可を得て翻訳しました。

原文:Top Tips for Kids Learning Traditional Irish Music

アイルランド音楽を学ぶ子どもへのアドバイス

若いうちからアイルランドの伝統音楽を学ぶ子ども(とその親)に対するいくつかのアドバイス。

ゲスト・ブロガー Conal Ó Gráda © www.conalograda.com/

楽しむこと

自分が学んでいる楽器について詳しく、そして上達を促してくれる、自分好みの先生を見つけましょう。練習や新しい曲の習得を応援してくれることを期待しつつ、他の用事(ハーリングHurlingやカモージーcamogie ※アイルランドの伝統スポーツ のような重要な用事)で中断しても、理解してくれるような人が良いでしょう。


出典 https://blog.mcneelamusic.com/

初心者のうちは、できる限りたくさん演奏してください。例えば、両親や祖父母に聴いてもらいましょう。あなたの進歩を聞いて喜ぶでしょうから。誕生日やクリスマスなど、家族の記念日に積極的に演奏しましょう。

友達と一緒に演奏しましょう。友人と楽器を持ち寄って一緒に演奏したり、曲を交換しましょう。自分でいくつか曲を覚えて、先生や友達に演奏して聴かせましょう。

簡単に専門の楽器を決めない

多くの子どもたちは、まずティン・ホイッスルから音楽を始め、上達するにつれて他の楽器に移行していきます。この段階では、他の楽器を始めるのは、急いではいけません。

ホイッスルによって音楽のメロディー、正確さ、リズム、フレージング、アーティキュレーション、レパートリーなど、他の楽器を演奏する際にも役立つ知識を身につけることができます。これらの基礎があれば、新しい楽器を始めるのもずっと楽になります。

そうしたら、どの楽器が一番気に入るかどんどん試してみてください(アイリッシュ・フルートは常に一番です!)。もし、最初に選んだ楽器が気に入らなければ、いつでも変更することができます。

良い楽器を買う

安い楽器は、高い楽器に比べて演奏するのが難しいです。悪い楽器はたいてい(いつもではありませんが)安いのです。どの楽器を買うべきか必ず知識のある人からアドバイスを受け、買った後で満足できない場合は返品できるかを事前に確認しておきましょう。良い楽器で学ぶことは、悪い楽器で学ぶよりもはるかに簡単で、ずっと楽しいです。少し高いかもしれませんが、手入れをすればその価値は保たれますし、いずれ売却することもできます。

目的を持って練習する

練習するときは、常に向上心を持ってください

毎週新しい曲を演奏する場合、最初はゆっくりと何度も繰り返し演奏してください。その曲を歌ったり、ハミングしたりしましょう。そうすると、より覚えるのが早くなります。楽譜で学んだのであれば、楽譜を見ずに演奏できるように練習してください。暗譜で弾けるようになることはとても大切です。なぜなら、音符を読むことに集中するのではなく、完璧に演奏することに集中できるようになるからです。また、速く弾こうとするときにも役に立ちます。ただし決してコントロールが効かなくなり音を外したり、テクニックを台無しにするような速弾きはしないようにしましょう。

レッスンが終わったらすぐに練習して、習ったことを思い出せるようにしましょう。

毎日短時間でも(例えば15分でも)練習することは、週に1、2回だけ長く練習するよりずっと効果があります。あるミュージシャンは、目標が完璧になるまで練習します。最高のミュージシャンは、絶対に間違えないように練習するのです。

演奏習慣を生活に取り入れる

音楽を演奏する同年代のグループに参加しましょう。多くの子どもたちは、ScórFleadh Cheoilの団体競技に参加して楽しんでいます。コンペティションではベストを尽くすこと、楽しむことに重点を置き、勝つことを重視しすぎないようにしましょう。

クリスマスコンサート、募金活動、パーティーなど、社交的なイベントで演奏しましょう。可能であれば、友人と一緒に参加しましょう。楽しく演奏できれば、練習も上達しますし、楽しみながら演奏できます。

上手になったら、「本当に」上手な人の演奏を聴く

コンサートに行き、終わったら演奏者にあいさつしましょう。優れた音楽家は、喜んであなたとおしゃべりをすることでしょう。そして簡単な曲を弾いてもらえないか頼んでみましょう。一流の演奏家の演奏を聴き、なぜそのような良い音が出るのか考えてみましょう。

マスタークラスやワークショップに参加する

地方で開催されるフェスティバルの一環として、専門的なワークショップがたくさんあります。自分の住んでいる地域で開催されるものに目を向けてみてください。The Willie Clancy Weekは、若い音楽家にとって素晴らしいイベントです(しかも、ビーチの近くです!)。1週間毎日、偉大な奏者から学べるだけでなく、アイルランド伝統音楽への関心を共有する全国各地の同年代の人たちと出会い、一緒に演奏することができるのです。私にとってこのような人たちはいずれ生涯の友となりました。

ゲスト・ブロガー Conal Ó Grádaについて

西コークのアイルランド語圏、Cúil Aodha(Coolea)の音楽一家に生まれ、ベストセラーとなったフルート教本『An Fheadóg Mhór,』の著者、コナル・オグラダConal Ó Grádaは7歳の時に学校のバンドでティン・ホイッスルを吹き始めました。父親とコークにあるThe Pipers Clubに行ったとき、彼は師匠である由緒あるフルート奏者Séamus Mac Mathúnaに出会い、あとは歴史と呼ぶにふさわしいものとなったのです。

1990年にリリースされたコナルのファーストアルバムThe Top of Coomは、今日でもアイルランドの伝統的なフルート演奏に大きな影響を与えており、国内外の多くのトップフルート奏者が、オグラダを彼らの主な音楽のインスピレーションのひとつであると認めています。コナルは現在も演奏、レコーディング、指導を続けており、彼の地である西コークでは、毎年夏に5日間のアイルランド伝統音楽と文化に浸るコースを開催しています

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私(著者パレイク・マクニーラ)自身がフルート奏者として、コナルがMcNeela Musicの一員であることを誇りに思っています。