ライター:まりお:京都field店 店長
こんにちは、マリオ店長です!
今回はゲーム音楽好きホイッスラー必見の動画第二弾です!
まずはこちらの動画をご覧ください!
この素敵な演奏動画のプレイヤーはYuki Kojima(Koji Koji Moheji)という名で活動されている、バグパイプ(ガイタ)のプロ奏者さんです。
Yuki Kojimaさんは2019年にスペインで開催されたケルト音楽の世界大会で「Yuki Kojima BAND」として出場され優勝されている実力派アーティストです。
他には「ティンホイッスル」、「ボタンアコーディオン」、「手回しオルガン」、「電子バグパイプ」などマルチに楽器を演奏されています。
またジャグリングのディアボロパフォーマーでもあり、IJAというジャグリング世界大会でも準優勝されている非常に多彩な才能の持ち主です。
今回はそんなYuki Kojimaさんが「クロノ・トリガー」という名作ゲームの「風の憧憬」という曲をティンホイッスルで演奏されています。
クロノ・トリガーの世界観・切ない雰囲気の曲調とティンホイッスルの音色がマッチしていますね。
普段アイリッシュばかり吹いている僕も動画を参考にティンホイッスルで演奏してみたら新鮮な気分で演奏できました。この気分を皆さんも味わってください!
クロノ・トリガーという作品について
クロノ・トリガーは、1995年に発売されたスーパーファミコンのソフトで、発売から30年近く経った今でも「不朽の名作」と呼ばれるほど人気のあるソフトです。
ファミ通によるアンケートでは「平成のゲーム 最高の1本」のランキング1位に輝きました。
魅力的なストーリーに加え、キャラクター・音楽・グラフィックの完成度が高く当時のゲーム好きを多いに魅了しました。(グラフィックはスーパーファミコンで再現できるものとしては当時最高峰だったそうです)
また開発陣がとても豪華なことからドリームプロジェクトと呼ばれていました。
鳥山明氏(ドラゴンボールの生みの親)、坂口博信氏(ファイナルファンタジーシリーズの生みの親)、堀井雄二氏(ドラゴンクエストシリーズの生みの親)が開発スタッフとして参加されています。
作曲陣も豪華で、光田康典氏・植松伸夫氏・松枝賀子氏、が担当しております。
今回のテーマに選ばせてもらった「風の憧憬」は光田康典氏による作曲です。
光田康典氏について
作曲陣のメインコンポーザーを務めた光田康典氏はなんとクロノ・トリガーで作曲家デビューされたそうです。
デビュー作品がクロノ・トリガーというあたりが天才の逸話といった感じがします。
光田氏はテレビ・映画・アニメ・ゲームなどジャンルにとらわれない多様な作曲をされています。また民族音楽の要素を取り入れた楽曲も得意とされています。
「ゼノブレイド2」というゲームの作曲ではアイルランドのコーラス・グループANÚNA(アヌーナ)とレコーディングを行ないました。
また光田氏の手掛けるコンサートには国内ケルト音楽のアーティストが多数参加されていて、光田氏自身がコンサートでアイリッシュブズーキを演奏することもあります。
こういった活動から、ケルト音楽愛好家にも名が知られている作曲家と言えそうです。
風の憧憬
さて今回のテーマの「風の憧憬」はクロノ・トリガーの中でも一二を争う人気曲ですが、「歴代のゲーム音楽」というスケールで見ても大変人気のある曲です。
ちなみに「かぜのどうけい」と読めますが、光田康典氏によると正式な読み方は「しょうけい」とのことです。
クロノ・トリガーの世界では「原始・古代・中世・現代・未来」が時間軸で繋がっており、それぞれの時代で起こるイベントをクリアすることで物語を変えていきます。
時空の歪みで現代から中世の時代に飛ばされた後、ポツンと静かになるシーンで流れる「風の憧憬」はどこか寂しい曲調です。
本曲の楽器編成
パーカッションを除けばストリングスのみで構成されています。
曲の展開
3パートに分けてみました。
1パート目はストリングスのピチカートで哀しげなフレーズから始まります。
2パート目から1パートと同じフレーズで伸びやかなレガートの音色に切り替わります。
3パート目で、レガートのストリングスは優雅な旋律になり、躍動感のあるスピッカートがベースラインを刻みます。
最後のパートは壮大な世界観と中世時代のどんよりとした雰囲気の中にわずかな希望を感じるような展開で、僕のお気に入りのパートです。
ティンホイッスルで「風の憧憬」を演奏してみよう!
原曲はストリングス編成ですが、Yuki Kojimaさんの素晴らしいアレンジ・演奏力によって、ゲームの世界観や曲の雰囲気を壊さずにティンホイッスルで演奏されています。
ぜひ皆さんもYuki Kojimaさんのようにクロノ・トリガーの世界観に浸りながら演奏してみてください。
F(ヘ長調)の曲 をC管で演奏するポイント(音楽理論的な話含む)
F(ヘ長調)の曲なのでティンホイッスルF管で演奏すればよいのかというと実はメロディーの低い音域をカバーできないので、C管を使ってF(ヘ長調)を演奏するのが適しているでしょう。
D管でG(ト長調)を演奏するのと同じ感覚ですので、難易度は高くありません。
添付画像のようにクロスフィンガリングでシ♭を出すことによりF(ヘ長調)の演奏ができます。
パート3の一部に「ド♯」の音が出ますがこの音は添付画像の運指のように右手の薬指のトーンホールを半分塞いで出せます。
ちなみにトーンホールの塞ぐ方向に決まりはありませんので縦に半分塞いでも斜めに半分塞いでも問題ありません。
3パート目から動画の右側のYuki Kojimaさんがハモりを担当しています。
ハモりパートもティンホイッスルC管で問題なく演奏できます。
使用されている笛について
動画で使用されている楽器はMichael Burkeというメーカーの笛です。
一般的なティンホイッスルは風音混じりのちょっぴりハスキーな音色の個体が多いのですが、Michael Burkeのティンホイッスルは風音成分が少なくとてもクリアな音色です。
アルミ製と真鍮製があって、クリアな音色の中に鮮明な輪郭を感じるのがアルミ製で、それに対して柔らかい輪郭なのが真鍮製です。
Yuki Kojimaさんは輪郭が鮮明なアルミ製を使用されています。
当店でも取り扱っていますが、なかなかいいお値段のする笛です(その分のパフォーマンスは発揮してくれますが)
Michael Burke製 ティン・ホイッスル C管(アルミ製)
D管を既に持っていてC管をお持ちでない方は、動画のキーから転調(全音上)してD管で演奏する方法もあります。
是非チャレンジしてみてください!
Koji Koji Moheji(Yuki Kojima)さんの紹介
<プロフィール>
日本で唯一のプロバグパイプ奏者(スペインのバグパイプ)として活動しています。
ケルト音楽の魅力を多くの方に、発信出来る様に毎日演奏動画などを更新しています。
楽器は、他に「ティンホイッスル」、「ボタンアコーディオン」、「電子バグパイプ」などを演奏しています。
<主な経歴と、活動など>
2019年 スペインで開催されたケルト音楽祭でYuki Kojima BANDとして「優勝」。
国内では、コンサートや、各種イベントに出演しつつ、小中高などの芸術鑑賞会などでケルト音楽を扱った「ケルティックコレクション」という作品を公演しています。