出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、アイリッシュ・フィドルを学ぶ際に重要なアプローチについて解説している記事を許可を得て翻訳しました。
原文:Three Tips for Learning the Irish Fiddle by Liam O Connor
リアム・オコナーによるアイリッシュ・フィドル習得のための3つのヒント
アイリッシュ・フィドル習得に関するエキスパートのアドバイス
アイルランドを代表するフィドル奏者のひとりであるリアム・オコナー氏は、TG4 Gradam Ceoil賞やアイリッシュ・タイムズ紙の「伝統音楽アルバム・オブ・ザ・イヤー」賞など、数々の栄誉に輝く実力派です。そんな彼が提唱するアイリッシュ・フィドルの学び方は、以下の3本柱に基づいています。「聴く」「学ぶ」「技術を磨く」。このシンプルかつ奥深いアプローチこそが、真の伝統音楽の理解と演奏力の向上につながると、彼は語っています。
聴く
まずは、自分が「好きだ」と感じ、「こんな風に弾けるようになりたい」と思えるアイルランド伝統音楽のフィドル奏者を見つけて、その演奏をたくさん聴いてください。彼らの奏法、装飾音の使い方、音の表情…特にソロ演奏を聴くことで、フィドルそのものの音に集中することができます。もしライブで見られる機会があれば、なお良いでしょう。
「聴くこと」は音楽上達の鍵です。耳が鍛えられ、演奏スタイルの違いに対する感覚も磨かれ、自分がどこを目指しているのか、どういう音を出したいのかが明確になっていきます。
学ぶ
アイリッシュ・フィドルの先生を選ぶ前に、しっかり情報収集をしましょう。
信頼できる人にアドバイスを求めたり、フォーラムなどで評判を調べたりして、自分が伸ばしたい分野(たとえば伝統音楽)にしっかり精通している先生かどうかを確認してください。
ありがたいことに、今はテクノロジーの進歩により、レッスンを受けるのに同じ部屋はおろか、同じ国にいる必要すらありません。専門的なアイリッシュ・フィドルのレッスンへのアクセスは、かつてないほど簡単になっています。
たとえば、The Trad Mentors(2012年設立)は、経験豊富な演奏者によるインタラクティブなオンラインレッスンを提供していますし、Online Academy of Irish Musicでは、録画型のフィドルレッスンも用意されています。近くに先生が見つからない場合や、対面レッスンに加えて学びを深めたい場合に最適です。
技術
常に自分の技術を見直し、向上させていくことも大切です。姿勢、弓の持ち方、握り方、弓の動かし方、左手の支え方―。こうした基本を磨くことで、難しい曲に挑戦するときにも役立ちますし、やがて自分らしい演奏スタイルをつくるうえでも大きな支えとなります。毎回の練習で、こうした基本に向き合う時間をきちんと確保しましょう。