【北欧の笛】セックピーパ Säckpipa

セックピーパ(säckpipa, Swedish: Svensk säckpipa)とは、スウェーデン語で文字通り「袋笛=バグパイプ bag pipes」を表すスウェーデン語です。

ただし、セックピーパは通常はスウェーデンのダーラナDalarna地方で演奏される種類のバグパイプを指します。

歴史

教会に残る中世の絵画によれば、バグパイプはスウェーデン全土に広まっていたことが伺えます。

しかし、20世紀半ばには、事実上消え去ってしまいました。

現代の「セックピーパ」と呼ばれている楽器は、ダーラナ西部の楽器に基づいて製作されたものです。

ダーラナは、20世紀までバグパイプの伝統が生き延びた唯一の場所だったのです。

リヴァイバル

1930年後半に、民族学者Mats Rehnbergは博物館Nordiska museetに所蔵されたバグパイプを発見し、これについて論文を書きました。

そしてRehnbergはスウェーデンのバグパイプの伝統の最後の継承者をなんとか探し出しました。Dala-Järna村のGudmunds Nils Larssonです。

Rehnbergは音楽教師であるTure GudmundssonとともにLarssonを訪問しました。

Tureは楽器を復刻することに成功し、そののちに、国によって助成されたラジオ局Sveriges Radioに、2曲を録音することになるのです。

続く数十年間、作られた楽器はたったいくつかのみです。

1981年になり、木工家のLeif Erikssonが自ら考案したデザインのバグパイプを製造し、フィドル奏者のPer Gudmundsonがその演奏法を習得しました。

Erikssonの楽器は博物館に収蔵されていた10種類の異なるデザインのバグパイプの折衷でした。

それは、フィドルなど他の楽器と合奏がしやすくなるように若干の修正を加えたものだったのです。

こんにちスウェーデンの伝統音楽において、バグパイプ奏者を擁したグループはいくつかあります。

たとえばHedningarnaや、二人のバグパイプ奏者Erik Ask-UpmarkとAnna RyneforsによるSvanevitとDråmです。

バグパイプは、現在はリックスペルマンriksspelman(伝統音楽家の資格試験)を得るための科目としても認められています。

構造

バグパイプ製作家Alban Faustの改良されたパイプはチャンターがA管とG管とがあり、3本のドローンを備え、ふいごで空気を送ります(通常は口で送ります)。

袋は他の多くのバグパイプ類よりも格段に小さいです。もっとも、セックピーパはそれほど多くの空気を消費しないので、問題ではありません。

チャンターはケーン(葦)でできたシングル・リードで、チャンターは円筒管、音域は1オクターブです。

クロス・フィンガリングによって半音を作ることができないので、必然的に7音音階(イ短調とイ長調を裏孔によって吹きわける)の楽器です。

楽器の改革

Cの指孔をダブル・ホール(2つの指孔)にし、どちらか一つを蜜蝋で埋めることで、CナチュラルとCシャープを切り替えができるようにしました。

また、伝統的な楽器において「チューニング・ホール」という、チャンターの一番下の後ろ側に音程調整のために開けられていた孔を前に空けることによって、右手小指で閉じる指孔として機能させ、低音のDが出せるようになりました。

一番上の指孔のさらに上に孔をあけ、キーで開閉できるようにすることで、かつての最高音のさらに上のF#が出せるようにしたものもあります。

シングルリードそして円筒管ボアのチャンターの特徴から、クロスフィンガリングが効かないため、また、チャンターもドローンも同じくシングルリードがら出来ており、チャンターと同じ音程にチューニングされていることから、チャンターとドローンの音が一致したとき、チャンターの音が消えたような効果を生み出します。

これにより、疑似スタッカートの演奏効果を出すことが可能にです。

楽器の音色はとても柔らかく、ハーモニカやアコーディオンと大差ありません。

※文章はWikipediaを翻訳しました。

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