袋にたくさん笛が刺さっている不思議な楽器「バグパイプ」。実はたくさんの種類があり、その数なんと100種類以上とも言われています。本シリーズでは、そんなバグパイプについてご紹介します!
ボンバルド Bombarde
ブルターニュで演奏されるオーボエ類に属する木管楽器です。
円錐形の管体を持ち、2枚のリードを束ねたものを唇にくわえて演奏します。音域は2オクターブあり、2オクターブ目はオーバー・ブロウ(強く吹く)またはオクターブ・キーを使って演奏します。
半音階を演奏するために、キーが付けられたものもあります。
強烈な音量を持ち、野外でのダンスの伴奏には欠かせないパワフルな楽器です。
ボンバルドは大量の息の圧量を必要とするので、続けて吹き続けることが困難です。そのため、伝統的にはオクターブ上の音域のバグパイプ、ビニウ・コーズと組で演奏されます。ボンバルドが短いメロディを演奏し、繰り返しの間にボンバルドが休んでいる間もビニウ・コーズがメロディを吹き続けるという方法です。
ボンバルドは20世紀初頭に演奏者が減少しましたが、40年代にバガドウと呼ばれる鼓笛隊が考案されたために、復興し、現在では数多くの演奏者がいます。
ビニウ・コーズ Biniou Kozh
binioù(ビニウ)とはバグパイプ類のことを差すブルトン語です。
ブルターニュでは、binioù kozh (kozhは古いという意味です)とbinioù bras(brasは大きいという意味です)という2種類のバグパイプが演奏されています。
binioù brasは、スコットランドのグレート・ハイランド・パイプスと同じです。
ビニウ・コーズはとても高いチューニングで、ボンバルドの伴奏のために用いられます。チャンター(メロディを演奏する管)はシングル・リードで1オクターブの音域を持ち、ドローン(持続音を演奏する管)は1本~2本備わっています。
通常はBb管が使われます。