セント・パディデー 2023:松井ゆみ子

ライター:松井ゆみ子

今年のパディデーは、セシューン仲間たちと開店前の地元パブで演奏を楽しみました。この日の付き物と思われているパレードも、ここクリフォニーのヴィレッジでは行われません。人口が少なすぎるのでパレードが成立しないのです・笑。

長らく住んでいたニューブリッジ(カウンティ・キルディア)のパレードは地味ながらも、近所の人たちと一緒に見るのは楽しかったものです。でもパレードが終わればあとはパブで飲んだくれるだけ。文化的な祝祭のようでいて案外そうでもないような気がしていました。

そんな風にパディデーをかなり斜めから見ていたわたしですが、今年は初めてアイルランドのお祭りにふさわしい過ごし方ができたと感じています。

セシューンを牽引している先生マーガレットから、いくつかマーチを習いました。日本ではチーフテンズの演奏で耳にしている方が多いと思う“O’Sullivan’s March”がそのひとつ。

まずはマーティン・ヘイズの演奏するヴァージョンで。

来日の機会を得ないまま解散してしまったユニット、The Gloming(グローミング)の演奏で。

アイルランドの大きな勢力のひとつだった豪族オサリヴァンを描いたもので、チューンを習うと同時にここの戦いの歴史も学びます。そうでないとチューンが理解できないから。

珍しくこの日、ホイッスルを演奏するメンバーたちが「むずかしい〜」と苦戦していました。しばしばホイッスルが難なくこなすメロディがフィドルでは厄介なことがあり、たまには交代して楽器の構造の違いに理解を深めなくちゃね〜、とほくそ笑んだのでした。

次の課題はちょっとハードルが上がってMorrison’s JigとDrowsy Maggieのセット。どちらも以前に習ったことがあるのでメロディは頭に入っているのですけれど指がついていかない・苦笑

さて、どうなりますことやら。