【北欧の笛】ダーラナ地方の縦笛

以下の文章は、笛製作家Stefan Ekehdal氏のホームページの翻訳です。
輸入代行にて、ご注文を承っております。

ダーラナ地方の縦笛

スウェーデンのダーラナ地方はスウェーデンでは珍しく笛の伝統が盛んな地域でした。

バグパイプや縦笛がありましたが、その多くは19世紀半ばまでに衰退してしまいました。

ダーラナ地方レットヴィークRättvikの民族音楽博物館Föreningen Folkmusikens Husに所蔵されているこの地域から寄贈されたリコーダー型の縦笛には、いくつもの種類があります。

その多くは円錐管で、おもて面にのみ6~8の指孔が空いています。

中には、裏孔があるものもあります。

その呼び名も様々で、spilåpipa、spelpipa、låtpipa、fingerpipa、träpipa、skallpipa、vallpipaなどと呼ばれました。

スピーロピーパ Spilåpipa / Evertsberg Pipa

もっとも有名なダーラナの笛です。

この笛はEvertsberg家の3代にわたって製作されていました。

最後の代はLars-Erik Anderssonで、2011にこの世を去りました。

彼は父と祖父の後を継いだのです。

多くはスプルースで作られますが、かつては松、オーレ(ale)、白樺などの他の木でも作られました。

私は、この楽器を現代に活かすために半音下げてA管で製作していますが、もしもとの姿(A#管)がご希望でしたらお答えします。

音域はAから1オクターブと6音上のFまでで、その間のすべての半音階を演奏できます。

サンプル演奏:låtexempel – mjölnarpolskan

レクサンド・パイプ Leksandspipan

この笛はKnis Karl Aronssonの古いモデルに基づいて製作されました。

Evertsbergのモデルを太くしたデザインで、ほぼ同じ音色と音域をもっています。

ムーラン・パイプ Malungspipan

この小さく可愛らしい笛はMalung hembygdsföreningsのコレクションから発見されました。

Idbäckに由来があるということ以外、多くは分かっていません。

この地域の楽器職人はJacob Per Västra Forsが有名なのですが、彼が作ったのかどうかは不明です。

現存する他の笛の中で、この笛は6つの指孔があるという点において特殊です。

さらに、博物館所蔵品にしては珍しく、演奏可能な状態でした。

1975年のLP”Stamp, trampling and långkut”では、Anders Rosénがこの笛で曲を吹いているのを聴けるでしょう。

この楽器は、Malung hembygdsföreningから歴史的楽器を貸与して頂き、複製しました。

サンプル演奏:låtexempel – silkesvalsen

デューラ・パイプ Djurapipan

ストックホルム音楽博物館に所蔵されていた、Leif Eriksson製作の笛の複製です。

ルネサンス・リコーダーの形状に似ています。

現存する楽器の大きさには様々な差異がありますが、どれも同じ製作家によるものと考えられます。

Dから1オクターブと3音上のGまでの音域があり、部分的には半音階に対応しています。