出典 https://larkinthemorning.com/
Lark in the Morningに掲載されている、動物の骨や木材などで作られている打楽器「ボーンズ」についての解説記事を、当店でおなじみの翻訳家・村上亮子さんの翻訳でお届けします。
原文:Rhythm Bones – Lark in the Morning
ボーンズ
ボーンズは人間の歴史の中で最も古いリズム楽器のひとつです。ボーンズ演奏の伝統はおそらくアイルランドや他のヨーロッパ系移民と共にアメリカに伝わってきたのでしょう。この楽器はアジア、インド、古代メソポタミア、エジプト、ギリシア、そしてローマにもルーツを持っています。1800年代中頃の音楽はバンジョー、フィドル、タンバリン、ボーンズなどが使われていました (詳細はこちら)。そのおかげでボーンズはさらによく知られるようになり、今でも多くの民俗音楽で使われています。
ボーンズには動物の骨が使われますが(特に肋骨や下肢の骨)、ほかにも様々な素材、とりわけ木材で作られています。材料の違いは音色の違いになり、素材の違うものを混ぜ合わせたり、組み合わせたりするのが好きな人もいます。柔らかな木は硬い木よりも静かな音になる傾向にありますが、動物の骨の多彩な音色を好む人も多くいます。よく言われることですが、ボーンズは持ち方で音色が大きく変わります。そのために大きな音、小さな音で、また握り方や手の位置を変えて練習する必要があります。どの楽器でも言えることですが、ボーンズをたたいたり、メロディー楽器の伴奏をしたりするのには、時間と根気が必要です。
長さは10cm~20cm位で、手の形に合うようにカーブしていて、普通は膨らんだ側を向かい合わせにします。演奏方法は様々です。(演奏者の数だけあると言えるでしょう)しかし一般に片方のボーンを掌に固定して、もう1つを手首の動きを利用してちょうつがいのように前後に動かします。ボーンズは胸に近づけて小さく演奏することも、腕や体全体を動かして、エネルギッシュに演奏することもできます。
両方の手で2組のボーンズを持って演奏する人もいますが、多くは1組のボーンズで演奏します。典型的なアメリカのスタイルには、両手にボーンズをもって演奏するものがあります(シンコペーションのビートや音色の変化を可能にする)が、アイルランドの演奏方法は、片手でどちらかというと控えめです。(伝統的なアイルランド音楽はリズミカルな伴奏よりメロディーを重視するのです)
演奏するのに気後れするような楽器に見えるかもしれませんが(特に社交的な演奏が大きな意味を持つ民俗音楽では)、あなたが始めるにあたって、助けになるいい動画がたくさんあります。一度コツをつかんだら、くつろいだ自宅で動画に合わせて演奏することができます。ボーンズは民俗音楽に起源を持っていますが、どんな種類の音楽にも合わせることができ、様々なスタイルで練習することは視野を広げ、新しいテクニックを組み入れることにつながります。ボーンズは体の延長であり、それぞれの奏者は自然に独自の演奏スタイルを発展させていくことになるでしょう。楽しんでください!
ボーンズを始めるにあたっての教習動画
インスピレーションを掻き立てる演奏
教習用DVD
- How to Play the Bones with Percy Danforth
様々なスタイルの音楽やボーンズの歴史を学ぶのに最適なDVDです。