フルートとホイッスルのための初級アイリッシュ・トラッド・チューン


出典 Giuseppe Milo,CC BY 2.0

アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、「アイリッシュフルートやティンホイッスルの初心者におすすめの曲」について紹介している記事を許可を得て翻訳しました。

原文:The Best Beginner Irish Trad Tune for the Flute and Whistle

フルートとホイッスルのための初級アイリッシュ・トラッド・チューン

アイリッシュ・フルートやティン・ホイッスルを吹く人にとって、まず最も重要なステップは、呼吸と音色をマスターすることです。それができれば、他のことはすべてうまくいくでしょう。

次のステップは、あなたの楽器に最も適した曲を学ぶことです。しかし、何から始めるべきでしょうか?適切なレパートリーであれば、半分の時間ではるかに簡単に習得できるのに、間違った曲を習得するのに苦労して時間を無駄にしたい人はいないでしょう。

そこで、これからフルートとホイッスルを吹こうとしている人たちのために、この便利なガイドを作りました。これらは私のお気に入りの3曲で、アイリッシュ・フルートとティン・ホイッスルの学習者にもぴったりです。

これらの曲をマスターすれば、セッションの準備は万端です。さあ、始めましょう。

初心者に最適なフルートとホイッスルの曲とは?

ここでは、ポルカPolka、スリップ・ジグSlip Jig、シングル・ジグSingle Jigの3種類を用意しました。スリップ・ジグとシングル・ジグの違いは何だろうと思われるかもしれませんが、ご心配なく。シングル・ジグは、1小節に6拍の短い拍子が入った「標準的な」ジグです。これらの素敵な曲は、長い音符と短い音符が交互に繰り返される特徴的なリズムを持っています。このリズムのおかげで、すぐにシングル・ジグとわかるのです。スリップ・ジグは9/8で演奏されます。つまり、1小節に3拍追加される欲張りなジグです。慌てなくても大丈夫、「普通の」ジグより演奏は複雑ではありません。(訳者付記:ここでの「普通の」ジグとは、ダブル・ジグDouble Jigというもっとも一般的なジグのことを表しています)

「The Galway Belle」と「Deirdre’s Fancy」は、音階のようなパッセージや、低いオクターブと高いオクターブの間の単純な移動の練習に役立ちます。「Off She Goes」は、他の曲でもよく使われる音程や運指を練習するのに役立ちます。

アイリッシュ・フルートとホイッスルの演奏についてもっと知りたい方、そしてあなたの演奏を次のレベルに引き上げたい方は、私のブログ記事をご覧ください(ホイッスル奏者にも効果的です!)。

アイリッシュ・フルート上達のための練習とテクニック

ゴールウェイ・ベル・ポルカ The Galway Belle Polka

ゴールウェイ・ベル・ポルカは、「69丁目ポルカ69th Street Polka」や「ムーンライト大尉の軍隊Captain Moonlight’s Army」としても知られています。高音域や2オクターブ目の音を初めて練習するのに便利で、あまり難しい曲ではありません。シンプルな隣同士の動きと音階のようなメロディーのフレーズは、フルートやホイッスルの初心者にとって、指使いが良くてわかりやすいです。また、A-F-D(ラ、ファ、レ)のパターンは、他の曲でも頻繁に繰り返されるものなので、今のうちに筋肉に記憶させておくとよいでしょう。

この美しいハープの演奏を聴いてみてください。ただし、彼女が演奏しているのはAマイナー調であり、上に記したEマイナー調ではないことに注意ください。

ディアドラのファンシー・スリップ・ジグ Deirdre’s Fancy Slip Jig

Deirdre’s Fancyもフルートとホイッスルの初心者に最適な曲です。The Galway Belleと同じくEマイナー調で演奏されるので、ほとんどの指使いや動きはすでにお馴染みでしょう。

スリップ・ジグは一般的に、シングルやダブル・ジグよりも遅いテンポで演奏されるので、この曲ではゆっくりとした一定のペースでリラックスして演奏することができます。

オフ・シー・ゴーズ・ジグ Off She Goes Jig

アイルランドでは、多くの人がアイリッシュ・ダンスのクラスで初めてこの曲に出会います。この曲のメロディーは、「ワン・ツー・スリー」を始めるために必要な基本ステップを教えるために、国中のダンスの先生によってよく歌われます。

また、伝統的なアイリッシュ・ミュージックを学ぶ人にとっても素晴らしい曲です。第2パートは、第2オクターブの音を使うので、最初は難しいでしょう。しかし、フルートやホイッスルできれいな高音を出すための絶好の練習にもなります。「長・短」交互のリズムは、シングル・ジグの代名詞であり、早い段階から学ぶ価値があります。

次は?

この3曲をマスターすれば、どんな曲にも挑戦できるようになります。もっと多くの曲を学びたい、知識やレパートリーを増やしたいと思っている方には、Fintan Vallely著の『アイリッシュ・フルート学習完全ガイド The Complete Guide to Learning the Irish Flute』がお薦めです。

しかし、もう少し高度なことを学びたいのであれば、Conal Ó Gráda著『An Fheadóg Mhór』が、アイリッシュ・フルートの演奏テクニックを詳しく教えてくれます。

アイリッシュ・フルートの専門家たちが提供するテクニックをすべてマスターしたら、私たちの「アイリッシュ・フルート演奏スタイル・ガイド」をチェックして、どの演奏スタイルが自分に合うか試してみてはいかがでしょうか。

[楽譜画像出典 https://blog.mcneelamusic.com/]