2019年6月14日~16日に東京で、アイルランドの伝統ダンスと伝統音楽の祭典「フェーレ東京」が開催されました。
ケルトの笛屋さんは公式スポンサーとしてフェーレ東京を応援しており、当日の様子を当店レポーターの天野朋美さんが取材しました。
前編はこちら!
https://celtnofue.com/blog/archives/2062
- コンペティションのルールについてはこちら
- CLÁR NA gCOMÓRTAS 2017(pdfファイル)
- コンペティションの結果はこちら
- フェーレ・トーキョー2019 音楽・ダンスコンペ予選通過結果
Oisín Mac Diarmadによるフィドルワークショップ
さて、午前の伝統音楽レクチャーとアイルランド体験広場を経て、午後はフィドルワークショップが開催されました。
フィドル以外の楽器でも参加でき、参加人数の約20名のうちほとんどの方がフィドル奏者。
ホイッスルやフルートでの参加の方も数名おり、私もホイッスルで参加させていただきました。
ワークショップはOisínがパートごとに分けて演奏し、それを耳で聞いて一緒に演奏する形で進められていきます。
前半は「Starry lane」。
同じ曲でもテンポを変えて演奏することでの味わいの違いやニュアンスの付け方を丁寧に教えてくれます。
曲を提案するときに「これがいいと思うんだけど他にいい曲があったら言ってください」と聞いたり、「フィドル奏者にはいいかもしれないけれど、ホイッスル奏者の皆さんはどんな感じですか?」と気にかける場面が多くあり、Oisínの優しい人柄を感じることができます。
一曲演奏した後は質問タイムへ。
顎当てはどんなものを使っているのか、どんな練習方法をとっているか、いい音を出すコツなど、たくさんの質問に答えてくれました。
「今練習中の曲があったらここで演奏するので参考にしてもらえれば光栄です」と、リクエスト演奏の時間もあり、参加者が希望の曲をワンフレーズ弾いてリクエストし、「ああこれはとてもいい曲ですね」とすぐに何の曲なのか理解して演奏してくれました。
後半はPaddy Faheyの難解な曲にチャレンジ。
フィドル向けの曲なので私もホイッスルでついていくのはとても大変でした。
参加者の方々も集中しており、聴いた音を探り当てすぐさま一緒に演奏していました。
普段の練習の成果や自分の実力を試すのにも、とても適したワークショップです。
Mick Mulkerrinによるシャンノース中級
フィドルワークショップの休憩時間にのぞいたシャンノースというアイリッシュダンスのワークショップ。
講師のMickはスコットランドのグラスゴー出身で、コネマラ出身の父からシャンノースの手ほどきを受け、30年以上もアイルランドで講師として活躍しています。
和やかな雰囲気の中「アイルランドは土地は痩せているが音楽は豊かだと言われます」とジョークを交えながら、楽しい音楽と共にステップを踏んでいました。
こちらは大学生など若い方も多く参加していました。
Comhaltas Night(コンサート)
2日目の最後を飾るのはフェーレの目玉の一つであるComhaltas Night(コールタスナイト)というコンサート。
今年はレクチャーやワークショップを行ったOisínとダンサーのMickに加え、ボーカリストのサイファー斗亜さん、ギタリストの川本秀史さん、アイリッシュハープの梅田千晶さん、ダンサーの松村慎也さんが加わり、アイルランドと日本の共演を見ることが出来ました。
CCÉ副会長さんのご挨拶ののち、駐日アイルランド大使のポールカバナー氏の 「今回の素晴らしいイベントのおかげでアイルランドと日本の絆はますます強くなっています。」と日本語、ゲール語、そして英語のスピーチでコンサートは幕を開けました。
ボーカリストのサイファー斗亜さんとギタリストの川本秀史さん。繊細でありながらも力強さを感じる歌に、目が離せません。
アイリッシュダンサーの村松慎也さん。足が綺麗に高く上がるたびに会場からは歓声が。
Oisínのオリジナル曲も披露されました。
この曲はスライゴー地方のフラーという大会で演奏したもので、ニューヨークでジェームスモリソンが開いた学校に、ベロニカという少女が地下鉄を乗り継いで通ったというエピソードから生まれたものだそうです。
Mickのご機嫌なダンス。派手さはないものの見ている方も思わず踊りだしてしまうグルーヴ感。
足元が良く見えるように皆さん遠慮せず立ち上がってくださいと配慮も。
松村慎也さんも登場し、スタイルの違うアイリッシュダンスを同時に楽しめる贅沢。
ハープ奏者の梅田千晶さん。キュートな笑顔と軽やかな音色で会場を楽しませてくれます。
観客もコーラスで参加した「Do you love an apple?」。
この曲は、ちょっと頼りない人と結ばれてしまったけど愛しているという内容で、男性に向けた詞と女性に向けた詞の2バージョンがありアイルランドでは結婚式でたびたび歌われるそうです。
会場の方々も一緒に口ずさんでいました。
コンサートの途中で大使から、W.B.イェイツの詩を朗読のプレゼントがありました!
「この詩はアイルランドでは誰もが学校で学び、よく知られているものです。最近90歳を超えた私の義理の母が、この詩の朗読をSNSでアップしました。それくらい記憶に残る素晴らしい詩です」
終盤は会長、副会長も交えてダンスと音楽で大盛り上がり!
歌の後にダンス、フィドルの後はハープなど、1,2曲ずつ演奏者や演目が入れ替わり、「ジョニーヘンリーNo.1」「ライアンズドリーム」など観客を飽きさせない約20曲の内容盛りだくさんのコンサートでした!
大満足の1日でした!
朝10:30から夜20:00まで、たっぷり楽しませてくれたアイルランド音楽とダンスの祭典Féile Tokyo(フェーレトーキョー)。
自信を持ってオススメできる充実の内容となっています。
まだ体験していな方はぜひ行ってみてくださいね!
関連リンク
執筆ライター
- 取材・写真:天野朋美(あまのともみ)
- 山梨県出身。ケルトの魅力にハマってしまったシンガーソングライター、ティンホイッスル奏者。
- https://twitter.com/ToMu_1234