ライター:ネットショップ 店長:上岡
時はさかのぼりまして1600年、日本では関ヶ原の戦いが行われていた、そんな結構な昔の3月に、歴史上初めての「セント・パトリック・デー」のお祝いが行われたんです。
昔ですねー、歴史があります。(この年はお祝い、その翌年からパレード)
もちろん行われた場所はアイルランドの…と言いたいところなのですが、実は一番最初のセンパトのパレードは、フロリダのセントオーガスティンで行われたんです。
1737年からはボストンで、その25年後からはニューヨークでも同様のパレードが開かれたという記録が残っていて、そちらの方が有名。
ちなみに、ボストンのパレードが歴史上初めてのセンパト・パレードと言われていたんですが、かなり最近、上記のフロリダの文献かなんかが見つかりまして、今ではセンパトと関ヶ原は1600年、ととっても覚えやすい年号を獲得しました。(なんのこっちゃ)
そうなんです、センパト・パレードって、実はアイルランドからいろんな事情で移民として故郷を出て行かざるを得なかった人たちによって作り上げられた、故郷を存分に懐かしむイベントだったんですね。
▲1939年ダブリンでの物々しいパレードの様子
ちなみにその時代のフロリダはスペインの領土ですが、そこには色々なヨーロッパからの移民がいました。
スペインとアイルランドは言葉こそ通じませんが、熱心なカトリック信仰という点や、イングランド(プロテスタントとか国教会)大嫌いという大きな共通点もありましたから、意気投合も早かったんじゃないでしょうか。
1600年のお祝いが盛況だったので、翌年はわざわざメインの通りを整備してまでパレードを開いたんですって。
こうしてスペイン駐屯地のフロリダでも聖パトリックさんの知名度はうなぎのぼり、その結果、その町の「トウモロコシの守護者」の名称をいただいたのだとか。
日本で言うとお米の神様みたいな役職だね。(ただし、このパレードは単発的なものになりまして、主導していた神父さんが亡くなったあとは、しゅんっ…と尻すぼみになっちゃいました)
その130年ちょいあとに開かれたボストンのセンパトのパレードは歴史的なイベントでしたが、初めてのセンパト・パレードは実はフロリダだったんですよ、というお話でした。
ちなみに初めて聖パトリックの日を(イベントのための)祝日にしたのはボストンだそうです。
そして、本国アイルランドで初めてパレードが開かれたのは、そこから160年以上もあとの1903年のことだったりするのです。(アイルランドはパレードどころじゃなかったからね)
https://www.youtube.com/watch?v=gphQdbwD70I
▲2019年ニューヨークでのパレードの様子