ライター:hatao
フルートやリコーダーなど、同時に1つの音しか演奏できないとされる楽器があります。
そういった楽器の奏者は、アコーディオンのように同時に和音が演奏できる楽器を羨ましく思うことがあるものです。
そのため、和声感を表現したくて高速アルペジオをしてみたり、あまり美しい音が出ない重音奏法を駆使したりするのですが、やはり同時発音の楽器のようにはうまくいきません。
そんな笛の限界(?)を突破する試みが複数管の同時演奏です。
サルデーニャ島のラウネッダス launeddas
ローランド・カークの演奏
私もそんな同時演奏に憧れる管楽器奏者として、どれだけティン・ホイッスルを同時演奏できるか、人生の最大本数まで初挑戦してみました。
年末年始もぼっちなので、♪よろこびの歌をティン・ホイッスル1人6重奏と鍵盤で合奏してみた。#年末もぼっち pic.twitter.com/Cfxa1cghyH
— ケルトの笛 hatao (@hatao_flute) December 27, 2021
これまで4本はラクラクだった経験があるのですが、6本を吹くと未知の世界が開けました……!
まず口に6本加えるのはキャパシティの限界があるので、当然のように鼻も活用。そして高音ティン・ホイッスルだけだと音楽的に面白くないので、ロー・ホイッスルも活用しました。
この試行錯誤と練習と撮影に2時間も費やしてしまいました。
忙しい年末に、一体私は何をやっているのでしょうか!?
しかし一見、不可能と思われることを達成するために、いくつもの閃めき電球が生まれました💡
- 3秒で息が尽きるので、息の消耗を抑えるには?
- 唇のキャパシティをどう分配するか?
- 低音のドローンがひっくり返りにくくするには?
- 鼻からの息漏れを防ぐには?
- 2本の手だけで何本もの笛を支えるには?
まともに吹いていてはとても達成できないので、楽器の改造も行いました。
正直な感想として、あと1本はいけると思いました。笑
ただ、エネルギーの消耗がものすごい上に、こんな簡単な曲でも難易度がAAA級で失敗する確率が高い、そして何より見た目がアレなので、もう人前ではやることはないでしょう。
普段は真面目なコンサートをしている私ですが、年末年始のかくし芸ということでご笑覧ください。
多重奏法はまだまだ進化の余地があります。
読者の皆さんにも、ぜひ7本目に挑戦してみていただきたいですね。