トラッドミュージック満載の冬:松井ゆみ子

ライター:松井ゆみ子

冬のアイルランドは静かで退屈と思われがちですが、さにあらず。

特にトラッドミュージックシーンはある意味”ハイライト”とよべるシーズンを迎えています。

クリスマス前から年明けのカウントダウンまでもコンサートラッシュですが、1月にはダブリンでトラッドフェスタが開催。ほぼ同時期におとなりグラスゴーではケルティックコネクションズがスタート。スライゴーからも多くのミュージシャンが遠征しています。

2月にはRTEのフォークアワードがあるし、3月のパディデーに合わせてアイルランド国内のみならず、アメリカやイギリスでツアーするミュージシャンもたっくさん。

今年のトラッドフェスタは個人的に好みの出演者が多く、行きたい気持ちもあったのですが、地元スライゴー、ドニゴール、リートリムでもトラッドミュージックイベントがいろいろあって出られません・笑
 
2月1日のセイント・ブリジッドズデーもトラッドシーンでは特に大事にされていて、ライブやセッションがにぎやかですが、新たな祝日になったことで連休になり、フェスティバルを開催する地も増えています。

コンサートとワークショップを組み合わせたイベントがカウンティ・メイオーとドニゴールでかちあい、おまけに南スライゴーで魅力的な顔ぶれのコンサートが。まだどれに行くか決めかねています。

この時期スローセッションも活発で、わたしとセッション仲間は新たに隣県リートリムまで足をのばし始めました。

月1回ですが、われわれの地元クリフォニーの月1セッションとうまく住み分けしているので、月2回のセッション体験。そこに仲間との練習会をはさむので、ほぼ週1回誰かと演奏できる感じになっています。楽しい。

仲間との練習会はフィドル2名とホイッスル。みんな同じレッスン会でスタートしているのでレベルもレパートリーもほぼ同じで理想的。

目下のターゲットは、速めのリールを演奏したがるアコーディオンに牛耳られないよう、リーズナブルなチューンのセットを用意すること。アコーディオン奏者も楽しめるようなチューン選びをあれこれディスカッションしています。バンドがライブで演奏する楽曲をチョイスするような感じで新鮮な楽しみが加わりました。

取り組んでいるのは”Tell her I am”と” Gallagher’s Frolics “のセット。いわずと知れたマーティン・ヘイズ&デニス・カハルの演奏が有名な。幸いギャラハーズは何年も前に学んだことがあり、なんとか形になっているのですが、テル・ハーはなかなかにトリッキーなチューンで苦戦しております。さて、どうなりますか??

もうひとつはセッションで欠かせない”Home ruler”と”Kitty’s Wedding”のセット。仲間ふたりとも自信ありげで、わたしは遅れをとっております。ホームルーラーはサマースクールで習ったからまだしも、キティズウエディングは聞いたことがなかった。

白状しますが、わたしはセッションでポピュラーなチューンがあまり好きではなかったのです。コンサート育ちだからかな。

ボシーバンドのレパートリーを家でこっそり弾くようなタイプなので。まさか自分がスローとはいえ、セッションに仲間入りするようになるとは思ってもみなかった!

新たな扉を開いてくれたのは、一緒に演奏してくれる仲間たちなので、すごく感謝をしています。

さて今年はどんな年になるのかな? サマースクールの宿、もう押えたし!