ライター:松井ゆみ子
スライゴー南部にある小さな町タバカリー(Tubbercurry:スペルはいくつかありますが、プログラムにはこちらを使用)で今月14日から19日まで開催され、わたしは今年もフィドル・クラスに参加。
Improverとよばれるビギナーと中級の間。そろそろ中級クラスにトライしてもいい頃なのですが、わたしは先生にこだわって選びました。去年と同じくデヴィッド・ドゥーシー(David Doocey)先生。メイヨー出身の素晴らしいフィドラーで、力強く、大らかな演奏にいつもほれぼれ。彼の選ぶ課題チューンはどれも弾いていて幸せな気持ちになるの。
今回習ったのは、
- The Little Diamond(Polka)
- The Ballydesmond(Polka):わたしがよく知るチューンではなく、若干混乱・笑
- The Beoga Polka
- The Maids of Feakle(Reel):マーティン・ヘイズのCDに収録
- The Templehouse(Reel):スライゴーチューン
- Na Cannabhain Bhana(Slip jig )
- Paidin Raiffartaigh(Slip jig):これもまたわたしのよく知るPaidinと別のチューン!
- Old John’s Jig
- The Carrarow Jig
どれもさほど難しいチューンではないし、わたしはABCで書かれた譜面がさっと読めないので、Doocey先生の模範演奏のみで習得。これが楽しい。
クラスメイトは壁に貼られたABC譜面を見ながら演奏するので、すぐに弾けますが、わたしは一拍遅れくらいかな・笑
今年はクラスの面々のレベルがそろっていて習得ペースも早く、オーケストラみたいな演奏になってすてきでした。
先生も「Mighty !!」(よく使う表現)と満足そう。
レクチャーも充実。興味深かったのは、フルート奏者&歴史家のグレゴリー・デイリーがマイケル・コールマンの兄ジム・コールマンにスポットライトを当てたこと。マイケルより10歳上のジムはマイケルよりも達者なフィドラーだったと証言が残っていますが、録音のチャンスがなかったことで無名なまま。渡米したマイケルが現地で録音する機会をたくさん得たことで、アイリッシュフィドラーの先駆者に。マイケル・コールマンに多くの影響を与えたであろう兄ジムの存在を知ることができてよかった。
翌日はイリアンパイプスの歴史etcに加えてパイプスの体験レッスンも。やる気まんまんで、簡単なマーチくらい演奏できるかな?など浅はかなことまで考えていたのですが、参加者の様子を見ていて即ギブアップ。まず装備があんなことになっているのも知らず。フイゴ(ベロウズ)でバッグに空気を送りこみながら演奏するのね。もうこの時点でみなさんおたおた。レギュレーターなどもない一番シンプルなパイプ状態でしたけど、みなさん”ぶぶぶぶ”とか”ひょろ〜”とか情けない音を出されていました。ドレミの音階がなんとか出せたのは、わがクラスメイト!でかした!参加者が口をそろえたのは「パイパーへの敬意が増した」。まさしく。
講師陣も参加者も前週のウィリー・クランシーサマースクールから移動してきた人も多く、いい意味でのんびりペースのタバカリーの空気にほっとしていました・笑。
ミルタウンマルベイは参加者激増ですごいことになっているそう。わたしが参加したのは10年前で、それでもフィドルレッスン参加者は計230人でかなり驚きましたけど、去年は450名とか??タバカリーも今年はどのクラスも去年より多かった印象ですが。クラスメートの多くは翌週からのジョー・ムーニーサマースクールin ドラムシャンボー/ Co.リートリムへ向かいます。わたしは今年もドニゴールのフィドルウィークへ。ドニゴールのチューンを学ぶ前に、まずはタバカリーで習ったセット4つをしっかりと身体になじませなければ!
https://www.facebook.com/reel/1340305144389281/?s=single_unit
▲サマースクール中のコンサートにて。ギター・クラスの講師陣、シェイミー・オダウド(左)とレイ・コーエン。贅沢な顔合わせです!
https://www.facebook.com/OfficialEileenIvers/videos/eileen-ivers-jigs-with-the-doocey-brothers/1338245693935594/
▲わがドゥシー先生! 覚えていますか?エイリーン・アイヴァース。初代リバーダンスで大注目、ブルーのエレクトリック・フィドルを炸裂していたアメリカの奏者。ドゥシー先生、ばっちりと太刀打ちしています!