【初心者が自力で調べる楽器の話シリーズ】第13回:ボタン式アコーディオン その3「蛇腹が大事」

今度は、楽器の構造についても調べてみます。
ボタン式アコーディオンは、大きく3つの部分に分かれるとか。

右手のボタン(トレブル): メロディを弾くところ
左手のボタン(ベース): 伴奏(ブン・チャッ、ブン・チャッというリズム)を入れるところ
真ん中の蛇腹(ベローズ): 空気を送るところ

あ、左手はブンチャッブンチャッチャ担当だったんだ、と新たに知りましたが、この楽器で一番重要なのは、「蛇腹」です。

人間も空気を送るところ(肺)がなかったら、困っちゃいますからね。アコーディオンにとっても大事な部分なわけです。この蛇腹を使って空気を送り込むわけですが、どこに送るかというと、これは「リード」と呼ばれる薄い板。これを震わせて音を出す、とっても有能な部分なのです。(リード楽器という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、そのリードです。また機会があれば調べてみます!)

上手な人の演奏を見ていると、まるで楽器が生きているかのように、蛇腹が滑らかに動いていますよね。

ちなみに、右手の親指のあたりには「エアーボタン」という隠しボタンがあって、これを押すと音を出さずに空気だけを出し入れできるそうです。「息継ぎ」をするためのボタンまであるなんて、本当に生き物みたいです。

そして前回、「ボタンの配列が難しい」という話をしましたが、実はこの配列にも、アイルランド音楽で人気の理由が隠されています。

アイルランド音楽はとってもテンポが速く、細かい装飾音を多用します。ピアノの鍵盤は指を横に広く動かす必要がありますが、ボタン式は数ミリ指をずらすだけで音が変わるため、「速弾き」に圧倒的に有利だったのです。また、アイルランド音楽用に便利な配列なんかもあったりと、まさにアイルランド音楽に適した楽器だったというわけですね!

この楽器の魅力を知るために、ぜひ聴いてほしいアーティストがいます。アイルランドを代表する女性アコーディオン奏者、シャロン・シャノン(Sharon Shannon)さんです!

彼女の演奏は、とにかく楽しそう!

ニコニコと笑顔を絶やさず、まるで楽器と遊んでいるかのように軽快なメロディを奏でます。「アイルランド音楽って、なんか難しそう」というイメージを持っている人は、ぜひ彼女の演奏を聴いてみてください!

彼女が弾いているのは「Castagnari(カスタニャーリ)」というイタリアのメーカーの楽器だそうで、木製の美しいボディが特徴です。そう、アイルランド音楽で使われるボタン式アコーディオンは、イタリア製やドイツ製のものがとっても多いんです。国境を超えて愛される楽器、それが「Box」なんですね。

さて、今回は「ボタン式アコーディオン」について調べてみましたが、最後に軽くまとめてみます。

名前: ボタン式アコーディオン、通称「Box」
見た目: ピアノ鍵盤がない!ボタンがいっぱいのタイプライター型
仕組み: 押し引きで音が変わる(バイソノリック)。ハーモニカの親戚。
歴史: ウィーン生まれ。音量が大きいからアイルランドのダンス文化で大活躍した。
魅力: 軽快なリズムと、哀愁漂う音色。そして何より、弾いている姿が楽しそう!

「ボタンを押すだけで音が出るなら簡単そう」なんて思っていましたが、とんでもございません!そこには、「押し引きのパズル」とでもいうべき、とんでもなく複雑な構造が待っていました。でも、そのパズルを解き明かして奏でるダンス曲は、きっと最高に気持ちいいはずです。

もしどこかで、小さくてボタンがついたアコーディオンを見かけたら、「おっ、あれがアイルランドのBoxだな」と心の中でニヤリとしてみてください。(ケルトの笛屋さんの店舗にもありますぜ)

そして、チャンスがあればぜひ触ってみてください。

押して引くだけで、あなたもアイルランドの風を感じられる、ような気がしてくるかもしれません!

それでは、また次回の「初心者が自力で調べる楽器の話」でお会いしましょう。

ビギ丸でした。