こんにちは!ケルトの笛のhataoです。
私は20年間アイリッシュ・フルートを演奏しているのですが、最近はこの楽器の人気がますます高まっていると感じています。
ワシントン条約で原材料であるアフリカン・ブラックウッドの輸出入が規制された関係もあるのかもしれませんが、入荷数が減り、私の楽器店「ケルトの笛屋さん」では常に木製の楽器が在庫切れで予約待ちの状態となっています。
最近はモダン・フルート奏者の間でもアイリッシュ・フルートの認知度が上がっているようで、モダン・フルートの演奏活動と平行してアイリッシュ・フルートに取り組む奏者が増えてきました。
そんな流れを汲み取ってフルートの専門誌THE FLUTE(ザ・フルート)では4月号、6月号と2回に渡って、「笛がいざなうケルト、アイリッシュ音楽」という特集が組まれ、私も執筆と演奏で関わらせていただきました。
4月号ではアイルランドのフルートの歴史と装飾音について解説しました。
6月号では楽器の購入のしかたやモダン・フルートでの演奏方法についてビデオも使って解説しました。
「ザ・フルート」は1,080円でAmazonからも購入できますので、興味のある方は取り寄せてくださいね。
本場でもモダン・フルートで演奏する人がいます
アイルランド音楽を演奏する上では圧倒的にアイリッシュ・フルート奏者の方がが多いのですが、本場アイルランドでも、ごくたまにモダン・フルート奏者を見ることがあります。
実はアイリッシュ・フルートの復興が始まったのは19世紀後半のことで、それまではフルートを吹きたければ、数少ない18世紀のアンティーク楽器を手に入れるしかありませんでした。
そのため19世紀中頃までは、その当時すでに普及していたモダン・フルートやそれに似たシステムのフルートを使って演奏する人が多かったのです。
その次代の代表的な奏者に東ゴールウェイのPaddy Cartyがいます。
https://www.youtube.com/watch?v=3m724W5vDiQ
※埋め込みできない設定の動画のため、リンクをクリックしてご視聴ください
また、現代でもアメリカのバンドCherish the LadiesのリーダーJoanie Maddenが有名です(ミヤザワの日本製フルートです!)。
動画を見ると、アイリッシュ・フルートとは音色や表現方法が違いますが、モダン・フルートでの演奏も素晴らしいですよね!
日本で初めてのモダン・フルート向けアイルランド音楽講座をしました
そんなわけでモダン・フルートを吹いている人の「アイルランド音楽を吹いてみたい!」というニーズを感じ、先日5月連休中に、大阪で「モダン・フルートで楽しむアイリッシュ」という講座を開催しました。
モダン・フルートでアイルランド音楽を演奏する上での知識や技術を学ぶという初めての企画で、私のほか、西川智子さんとゲストに井上彩さん(ともにモダン・フルート奏者)の3名で3時間お話や演奏をし、およそ20名の方が受講しました。
モダン・フルートとアイリッシュ・フルートはそれぞれ得意なことが異なり、アイルランド音楽を演奏する上でモダン・フルートには不便なこともあるのですが、モダン・フルートならではの良さや強みもあります。
またアイルランド音楽とクラシック音楽とでは装飾音やリズム、音色についての考え方が異なるため、理論を理解をすることも必要です。
おかげさまで講座は大好評で、とても良いコメントをいただきました。
コメントをご紹介します
本当に盛りだくさんの内容で新たな発見がいっぱいでした。今まであまり深く吹き方を意識したことなかったですが吹き方1つでモダンフルートでもアイリッシュな表現ができたり楽譜だけで表現できない微妙なリズムや長さなど実際に前で吹かれてやってみて、でわかりやすかったです。
目の前で説明を交えて演奏して頂きますと解りやすかったです。特に、タンギングをしないというのは驚きでしたし、装飾かと思っていた技法が音を区切るために使っているというお話しなどは本当に興味深かったです。
フルートの技術面だけでなく、時代背景や言語学など色々な観点から教えていただき、とてもわかりやすかったです。音源の聞き比べも興味深かったです。
アイリッシュフルートを買わなければ、はじめられない!と思い込んでたのですが、とりあえず聴いて吹くことからはじめてみようと思います。自分で耳コピしてアイリッシュの曲をやってみたのですが、全然、アイリッシュっぽくならなくて。その理由がとてもよく分かりました。
好評につき、東京で6月23日に開催が決定!
この講座の第二弾を、6月23日(日)に東京で開催することにしました。
東京都内:モダンフルートで楽しむアイルランド音楽 (グループ講座)
- モダンフルート奏者向けのアイルランド音楽講習会です。
- 開催日時:2019年6月23日(日)午後4時から午後6時
- 場所:NUTSスタジオ駒込Bスタジオ Bスタジオ(東京都北区田端4-1-11)
- 受講料:スタジオ代込 3,000円、楽譜資料つき
- 必要なもの:モダン・フルート(譜面台はあります)
- お申込み:hatao@irishflute.info
おそらく今回限りの講座になりますので、お申込みをお待ちしています!