ハピネス炸裂!ケルティッククリスマス2019

インタビュアー:天野朋美

日本では1998年以来、20年以上続く「冬の風物詩」として親しまれているケルティック・クリスマス。

読者の皆様の中にもコンサートに行ったことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は主催のプランクトンからプロデューサーの是松渓太さんに今年の見どころを伺いました。

ハピネス炸裂!ケルティッククリスマス2019

―ずばり!今年のケルティッククリスマスの見どころを教えてください。

是松:今年のケルティッククリスマスは一言で言うとパーティです!

3バンドとも爆発力があります。

とにかくメーターが振り切れるので、ずっとテンションの高いイベントになると思います。

シャロン・シャノンは説明不要だと思いますし、ウィ・バンジョー・スリーは以前にも増して魅せ方が上がっていて、アメリカでも何カ月もツアーをする程の他には無いエンターテイメントグループになっています。

初来日のタリスクは最初に出会ってから2年経ちますが、ずっと日本の皆さんに紹介する日を楽しみにしていました。

特にコンサーティーナ奏者であるモーセンは、「コンサーティーナでこんなことする!?」というようなプレーで、吠えるし暴れるし…かなり衝撃的なんじゃないでしょうか。

このラインナップはケルティッククリスマス史上最強のエネルギー量ですね。

一組たりとも見ていて退屈するバンドはいないですし、すごくハッピーになると思います。

アイリッシュの若手バンドが面白い!

―それは楽しみですね!もう少し詳しく教えてください。

是松:ケルティッククリスマスでは毎年、一組は若いバンドを入れています。

今回は「タリスク」ですね。

先ほどもお話しましたが、コンサーティーナ奏者のモーセンが化け物級なんです。

一人であれだけの力があるプレイヤーって言うのは久々に出会いました。

海外で初めて見た時に「これ絶対に日本でやりたい!」と即決でしたね。

正直、トリオとしてのアンサンブルはラウーやドリーマーズ・サーカスなどの方が凝った作りかもしれませんが、あのバンドはモーセンを中心に、また別のアプローチでスケール感をちゃんと作っていて面白いバンドですね。

ウィ・バンジョー・スリーも若手バンドですが、アイリッシュの市場は彼らの出現以前以降で分けてもいいくらい、かなり変わったところはありますね。

だから今、あの世代以降のバンドはとても元気ですよ。

―今までのトラッドミュージシャンとどんな違いがあるのですか?

是松:現代とどう繋がるか、人をどう楽しませるかという2点を考えている所です。

トラッドミュージシャンの中には保守的な人も多いのですが、ウィ・バンジョー・スリーは如何に自分たちの音楽をより多くの人と楽しむかという事をすごく考えています。

例えば、彼らは日本に来て60分リハーサルの時間があれば、20分でサウンドチェックを終わらせて、あとの40分はオーディエンスと体験を通して繋がるために日本語の勉強をしているんです!

人によっては彼らの音楽を「これはアイリッシュじゃない!」と言う人もいます。

今回のアルバムなんて全曲オリジナルですしね。

だけど、トラッドかどうかなんて問題じゃなく、トラッドから受け継いできた精神がそこにあればいいんです。

彼らのようなバンドは増えていて、観客を楽しませながら、自分達でも新しい表現を作っていく。

今鳴らすべき音はなにかという所に真剣に向き合っていますね。

ひと昔前のロックとトラッドを組み合わせた楽曲は強引な印象のものも多かったけれど、ようやくその両者をごく自然に聞いてきて融合できる世代になってきて、クオリティも高いものが作れるバンドが出てきたんです。

昨年ケルティッククリスマスに出演したイースト・ポインターズは以前よりもっとロック方面に振れていて、すごくかっこいいです。

彼らは博物館的では無いやり方で伝統を受け継いで、それぞれのバンドが自分たちの持ち味を最大限に発揮して、トラッドというものを現代に鳴らそうとしているんです。

日本のミュージシャンの皆さんにはぜひ彼らの音楽に触れてもらって、新しい音楽の形を生み出してほしいですね。

セッションパーティとアフターパーティは激レア!

―出演者とセッションできる機会があると伺いましたが本当ですか!?すごい!

是松:ありますよ!

よこすか芸術劇場コンサート終演後のアフターパーティのことですね。

今年は12月1日(日)ですので、ぜひ楽器を持って参加してください!

この前のチーフタンズの横須賀公演の後にも、会場のロビーに100人位集まってセッションしましたよ。

パブのセッションみたいに、何も決めないでみんなで音を出すんです。

セッションパーティは2種類あって、もうひとつは12月2日(月)に東京の青山で行われる前夜祭ですね。

それは観客参加型ではないのですが、ケルティッククリスマスの出演者が即興で演奏したり、本編では見れないような事を体験できます。

―ロビーパフォーマンスの日本のコーラスグループ
“ANONA”も気になります!

是松:ANONA(アノナ)はアヌーナの音楽が好きな人たちが集まったカバーグループです。

夏にはアヌーナのサマーキャンプに参加したり、楽しみながら積極的に活動している人たちです。

現地ミュージシャンと日本のミュージシャンの交流も大事だと思っていて、価値観の共有ができたらいいなと考えて声を掛けました。

チーフタンズの公演にも出演してもらったんですが、メンバーも喜んでいましたよ。

映画「クイーン・オブ・アイルランド」の上映会もあります!

―LGBTがテーマという事で…かなり気になります!映画の見どころを教えてください。

是松:アイルランドは2015年に国民投票で同性婚が合法化した世界初の国となったんですが、この映画はその国民投票のキャンペーンで先頭に立ち活動した“パンティ”と名乗るドラァグクイーンのドキュメンタリー映画です。

LGBT の権利を国民投票で勝ち取るというのは、カトリックの世界ではありえない位すごい事です。

―主人公の“パンティ”は歌舞伎町に住んでいたのですか?

是松:そうなんです。

アイルランドでは1993年まで同性愛は犯罪とされていたので、主人公の“パンティ”ことオニールは東京に理想郷を見つけました。

だからある意味、日本という国もすごいですよね。

アイルランドの人々は全体の中で自分たちがそれぞれ生きているという、一神教ではないケルト的な考え方も持っていて。

そういうことがあると、あんまり他の人のことが気になりすぎないんです。

世の中にはいろいろなものが渦巻いて、連鎖して…そういう世界の捉え方をしているアイルランドだったからこそ、LGBT の権利を国民投票で勝ち取るという素晴らしい事ができたんでしょうね。

ぜひこの映画の中で、アイルランドの美徳を感じてもらいたいです。

(おわり)

お話を聞けば聞くほど行きたくなるケルティッククリスマス2019!

素晴らしい出演者はもちろん、セッションパーティや映画の上映まで、内容盛り沢山ですね。

気になる方はぜひチェックしてみてください。

公演日程

11/30(土)福井県立音楽堂 ハーモニーホールふくい
出演:シャロン・シャノン/ タリスク

12/1(日)神奈川・よこすか芸術劇場
出演:シャロン・シャノン/ ウィ・バンジョー・スリー/ タリスク

★終演後アフター・パーティー開催!!

12/3(火)東京・晴れたら空に豆まいて
タリスク単独公演

12/3(火)大阪・ザ・フェニックスホール
シャロン・シャノン単独公演

12/4(水)大阪・梅田クラブクアトロ
ウィ・バンジョー・スリー単独公演

12/5(木)東京・渋谷クラブクアトロ
ウィ・バンジョー・スリー単独公演

12/7(土)長野市芸術館メインホール
出演:シャロン・シャノン/ ウィ・バンジョー・スリー/ タリスク/ クリスティーン・カー

12/8(日)東京・すみだトリフォニーホール
出演:シャロン・シャノン/ ウィ・バンジョー・スリー/ タリスク/ クリスティーン・カー

★同日開催・小ホールにて映画上映、公開インタビュー&トークショー

セッション・パーティ

12/2(月)東京・CAY(青山)
出演:シャロン・シャノン/ ウィ・バンジョー・スリー/ タリスク ほか

【Profile】

ゲスト:是松渓太(これまつけいた)
プランクトン/プロデューサー
http://plankton.co.jp/xmas19/
インタビュアー:天野朋美(あまのともみ)
ケルトを愛するシンガーソングライター、やまなし大使。
2019.11.9セカンドアルバム”Songs for Braves蕾の目覚めを信じて“をリリース
https://twitter.com/ToMu_1234