出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、アイリッシュ・ボタン・アコーディオンについてまとめた記事をご紹介します。
原文：An Introduction to the Irish Button Accordion
アイリッシュ・ボタン・アコーディオン
ボタン・アコーディオンは、様々なジャンルや文化にまたがる楽器です。そのため、この多機能な楽器について、色々な質問を受けることがあります。
そこで、よくある質問に答えるべく、このガイドを作成しました。伝統音楽を演奏するのに最適なアコーディオンは？ アイリッシュ・ボタン・アコーディオンを購入する前に知っておくべきことは？ などなど、よくあるご質問にお答えします。
アイリッシュ・アコーディオンをどう呼ぶ？
アコーディオンは、「スクイーズ・ボックス」Squeeze Boxという愛称で呼ばれることがあります。しかし、アイルランドの伝統音楽の世界では、単にボックス Boxと呼ばれることが多いようです。
アイルランド語では「オルゴール」を意味する「bosca ceoil」（ボスカ・キョール）と呼びます。
アイリッシュ・アコーディオンはどう弾く？
アイルランドの伝統音楽で最もよく見かけるアコーディオンは、2列のボタン・アコーディオンです。ピアノ式アコーディオンも演奏されますが、ボタン式ほどポピュラーではありません。
ボタン・アコーディオンは、右手を指板に添えてボタンを押して、左手は低音を弾きながら、必要に応じて蛇腹を押したり引いたりして演奏します。
楽器が重いので、通常はアコーディオンストラップを片肩または両肩につけて演奏します。
初心者におすすめのボタン・アコーディオンは？
初心者に最も人気のあるアコーディオンは、片側が21ボタンの2列配置で、反対側に8つのベースボタンがあるものです。アイルランドのボタン・アコーディオンは、B/Cキーで演奏されることが多く、伝統的なアイルランド音楽の曲調に対応しています。
アコーディオンを購入する前に知っておくべきインとアウトの詳細については、私のブログ「The Irish Accordion – A Complete Beginner Buyer’s Guide」を読んでみてください。
アコーディオンとコンサーティーナの違いは？
コンサーティーナとアコーディオンの最も明らかな違いは、サイズ、音、ボタンの位置に関するものです。
サイズ
アコーディオンは通常、大きくて重いです。コンサーティーナはアコーディオンより小さく、スクイーズボックスファミリーの中で最も小さいです。
音
アコーディオンはより大きな音を出すことができ、ケーリー・バンド（ダンスの伴奏バンド）などの大人数のグループでは、音が小さいコンサーティーナよりもアコーディオンを好みます。コンサーティーナはよりまろやかな音色で、内輪での演奏や小規模なアイルランド伝統音楽のセッションに向いています。
ボタン
コンサーティーナは蛇腹の移動と平行に、アコーディオンは蛇腹の移動と垂直に操作する鍵盤を備えています。コンサーティーナは楽器の両端にボタンがあるのに対し、アコーディオンは前面にボタンがあります。
ボタン・アコーディオンの値段はいくら？
ボタン・アコーディオンをネットや楽器店で探すと、必然的に価格の幅が広くなります。初心者に適したボタン・アコーディオンは、500ユーロ以上することもあります。
パオロ・ソプラーニPaolo Soprani やホーナーHohnerの人気商品であれば、もっと高くなります。1,000ユーロから始まり、最高で30,000ユーロになります。
ベルトラン・ガイヤールなどの独立系メーカーによる手作りのアコーディオンも高価ですが、ミュージシャンのためにカスタマイズできる利点があります。
アイリッシュ・アコーディオンは何調が良い？
アイルランドでは、アコーディオンのキーはB/Cチューニングが一般的です。これは、1列のボタンがB、もう1列がCのキーになっていることを意味します。アコーディオン奏者の間で人気のあるもう一種類のキーは、C#/Dです。
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
どのアイルランドのボタン・アコーディオン奏者を聴くべき？
故パディ・オブライエンPaddy O’Brien とフィンバー・ドワイヤーFinbarr Dwyerは、B/Cボタン・アコーディオンの非常に重要な奏者です。ジョー・バークJoe Burkeはこの2人の同期で、現在も演奏しています。
故Joe Cooleyジョー・クーリーは、チャーリー・ハリスCharlie Harrisやトニー・マクマホンTony McMahonと同様に、C#/Dアコーディオンの尊敬すべき奏者です。
シャロン・シャノンSharon Shannonもボタン・アコーディオンを演奏し、伝統的なアイルランド音楽を新しい国際的な聴衆に届けたと評価されています。