出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、「アイリッシュフルート」について多く寄せられる質問についての解説記事を許可を得て翻訳しました。
原文:FAQ: The 12 Most Commonly Asked Questions About Flutes
アイリッシュ・フルートについてよくある質問
私たちMcNeela Instrumentsは、毎日フルートに関する質問をたくさん受けています。顧客の皆さんは私たちを質問で圧倒してくださるのですが、この挑戦に受けて立つつもりです。しかし、以下のガイドはいくつかの重要な質問にお答えするのに役立つと思いました。この完結でわかりやすいガイドには、読者に役立つたくさんの情報が詰まっていますので、フルートをお探しの方も、この楽器のことをもっと知りたいという方も、ぜひご一読ください。
1. アイリッシュ・フルートとは?
アイリッシュ・フルートとは、アイルランドの伝統的な木製フルートを指す言葉です。アイリッシュ・フルートには、キーのついていない木製フルートと、3~8個のキーを持つシンプル・システム・キー付きフルートの2種類があります。
2. クラシカル・フルートとアイリッシュ・フルートの違いは何ですか?
一般的なクラシカル・フルートはキーが付いた金属製のフルートで、一般的には銀で作られています。テーパーのかかった(両端の内径が異なる)ヘッドジョイントと円筒形のボディが特徴です。それぞれのトーン・ホールは金属製のキーで覆われており、ベーム式キー・システムで作動するように設計されているため、完全な半音階となります。クラシカル・フルートのヘッドジョイントは、奏者が快適なアンブシュアを得られるよう、リッププレートが盛り上がっているのが特徴です。
伝統的なアイリッシュ・フルートは、一般的に木材(アフリカン・ブラック・ウッドは伝統音楽家の間で非常に人気のある木材です)を使用し、円錐形のボア(内径)と大きなアンブシュアと、大きなトーンホールを特徴としています。また、キーレス・タイプのフルートも人気があり、6つのトーンホールが開いていて、指でそれらを閉じる仕組みになっています。シンプル・システムのキー付きアイリッシュ・フルートは、最大で8つのキーしかなく、トーンホールの横につけられています。クラシカル・フルートとアイリッシュ・フルートの違いについて詳しく知りたい方は、私のブログ記事をご覧ください。
「クラシカル・フルートから伝統的なアイリッシュ・フルートへの移行について」
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
3. フルートは演奏するのが難しいですか?
フルートを吹くのに必要な呼吸法や音色をマスターするのには時間がかかることがあります。ですから、演奏するのが難しい楽器と言えるでしょう。フルート初心者の方は、最初の音を出すのに苦労することが多いようです。息のコントロールや肺活量、指の動きや運動神経など、フルートを高いレベルで演奏するために必要な要素も、挑戦しがいがあります。しかし、他の楽器と同じように、少しの努力と忍耐、そして我慢で、簡単に演奏する方法を学ぶことができます。
4. アイリッシュ・フルートは演奏するのが難しいですか?
アイリッシュ・フルートがクラシカル・フルートに比べて演奏するのは難しいということはありません。しかし、銀製のフルートと同様に、「演奏を学ぶには」難しい(そして楽しい!)楽器と言えます。
どのようなスタイルの音楽でも、演奏できるようになることは、とてもやりがいのある経験なので、努力する価値はあると私は思います。アイルランドのフルート演奏の豊かな伝統は、多くのものを提供してくれます。
5.アイリッシュミュージックで使われるフルートの種類は?
これまで学んできたように、アイルランド音楽で最もよく演奏されるフルートは、アイリッシュ・ウッド・フルート(Irish wooden flute)です。
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
6. クラシカル・フルートでアイルランド音楽を演奏できますか?
もちろんです。ジョーニー・マッデンを筆頭に、アイルランドの伝統音楽を高いレベルで演奏する著名な演奏家はたくさんいます。ジョーニーが選んだ楽器は、銀製のミヤザワフルートです。
ミヤザワフルートを試したときは、こんな感じでした。『もう後戻りはできない!』。 音色、アクション、そして演奏した感覚は最高で、あらゆる種類のフルートを試しましたが、それ以来ずっとミヤザワを愛用しています!
― ジョーニー・マッデン
7. クラシカル・フルートからアイリッシュ・フルートへの転向は難しいのでしょうか?
両楽器の演奏スタイルに多少の違いはありますが、全体的には、どちらかの演奏スタイルからもう一方の演奏スタイルに切り替えることは難しくありません。フルート演奏において、呼吸と音色は最も重要な要素であり、これらのスキルは容易に移行することができます。演奏スタイルの違いについてもっと知りたい方は、私のブログ記事をご覧ください。
「クラシカル・フルートから伝統的なアイリッシュ・フルートへの切り替え」
8. 木製のフルートは金属製のフルートよりも良いのでしょうか?
これは難しい質問ですね。私はアイリッシュ・フルート奏者として、木製のフルートが出すユニークな音色にとても好意的です。木製のフルートは本当に魔法のような楽器です。しかし、客観的に見れば、答えは「ノー」です。木製のフルートも金属製のフルートも、どちらが優れているというわけではありません。フルートの素材は、音色を左右しますし、好みは人それぞれでしょう。
では、ある音楽スタイルには、あるフルートがより適しているのでしょうか。もちろんです。ベーム式銀製フルートはクラシック音楽の演奏に、アイリッシュ・フルートはアイルランドの伝統的なフルート奏者のニーズに応えるために開発されたものです。
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9. フルートに最適な木材とは?
アイリッシュ・フルートでは、アフリカンブラックウッドがトーンウッドとして使用されています。高密度で色が濃いこの木材は見た目が良いだけでなく、それに見合った美しい豊かな音色を奏でます。アイリッシュ・フルートの特徴的な音色は、このトーンウッドによるものです。その他にも、コーカスウッド、ローズウッド、ボックスウッド、モペインなどがよく使われています。アイリッシュ・フルートの製作者であるマーティン・ドイルから、様々なトーンウッドの品質について詳しく学びましょう。
10. フルートの値段は?
フルートの価格は、クラシカル・フルートかアイリッシュ・フルートか、また、楽器の品質によって異なります。
クラシカル・フルート価格表
初級者(グレード1/グレード2)
初心者のフルート価格は、$250/€250からで、品質によってそれなりに変動します。フルートが自分に合った楽器であることが分かっているのであれば、より高価で良質な楽器から始めることが得策です。
中級(グレード3~グレード7)
中級者向けの良質なフルートは、約$850からです。もし初期段階で余裕があれば、より高い品質の楽器から始めることで、演奏に大きな差が生まれます。
上級(グレード8以上)
上級者向けのフルートは、最低でも$1,000以上、現実的には$2,000から$3,000程度が相場です。
プロフェッショナル
予想がつきません。このレベルになると、限界はありません。プロ仕様のフルートは、数万ドルすることもあります(それ以上することも!)。
アイリッシュ・フルート価格表
- 初級フルート:$300~$400/€300~€400
- 中級者向けフルート:$400~$950/€400~€950
- 上級者用フルート: $1,000以上/€1,000以上
- プロ用フルート: $3,500以上/€3,500以上
キー付きフルートは、キーなしの木製フルートよりも材料費がかかるため、より高価になることをご留意ください。
ヴィンテージフルートの価格
ヴィンテージフルートに関する注意事項:古いからと言って、価値があるとは限りません。ヴィンテージ楽器は、購入前にその状態を十分に見極めることが重要です。フルートの内径にひび割れがないか、キーがある場合はキーが全て機能しているか、パッドがトーンホールを完全に覆っているか、磨耗していないかなどを確認して下さい。もし、楽器の査定にお困りの場合は、お気軽に弊社までご連絡ください。
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
11. フルートのブランドは?
フルートをお探しの場合、私たちアイリッシュ・フルート専門店を含む多くの信頼できるブランドから選ぶことができます。また、私のお気に入りをご紹介します。
クラシカル・フルート
- Altus
- Gemeinhardt
- Jupiter
- Muramatsu
- Miyazawa
- Pearl
- Yamaha
アイリッシュ・フルート
- Eamonn Cotter
- Martin Doyle
- Arie De Keyser
- Michael Grinter (残念ながら故人です。中古を探しましょう)
- Hammy Hamilton
- Sam Murray
- Patrick Olwell
- Desi Seery