【後編】コンサーティーナのリードの向きを換える修理

前回お話しした、当店のコンサーティーナでリードのつけ間違いが見つかったお話し。今回はどうやって修理したのかについて書きます。

前回の記事はこちら

https://celtnofue.com/blog/archives/1780

修理開始

動画をご覧ください。

これは当店のフェニックス・コンサーティーナです。

右手一番上列の手前1番目のボタンがつけ間違えています。

本来ここは隣のボタンと押し引きが反対の音になるはずなのですが、動画では隣のボタンとまったく同じ音が、押しても引いても鳴っています。

同じ音が鳴ってしまっては、2つのボタンがある意味がまったくないですね。

このボタンはリードの裏表をつけ間違えているので、ひっくり返せば運指表のとおりになります。

コンサーティーナは、表のフタを6本のネジで止めています。

このネジは、家庭にあるプラスドライバーで簡単にはずすことができます。

これから、ふたを開けますよ。

ネジを廻して取って、フタをはずすことができました。

当然ですが、外したネジはどこかに行かないようにしっかりと保管しておいてください。

コンサーティーナの片面は、上からフタ、ボタンやレバーやパッドが着いている「アクション・ボックス」、そしてリードが収納されている「リードパン」の3層構造になっています。

その下は蛇腹です。

この記事では外側から順番にはずしていっていますが、機種によってはフタから「アクション・ボックス」を外すと、あとでフタのボタン孔にボタンを通すときに思わぬ苦労をすることになります。

そのような機種は、フタと「アクション・ボックス」をセットにして外して、リードパンだけ取り出しましょう。

蛇腹の内部はこんなふうになっています。幾何学的で美しいですね。

リードパンの裏側です。

リードが並んで張り付いています。

問題のあるボタンを押して、それがどのリードに空気を流すのかを目視で確認します。

リードがついている「リード・フレーム」には、表と裏に合計2枚のリードが張り付いており、蜜蝋でリードパンに留められています。
コンサーティーナは押し引きで音が変わるのですが、それは一方からは空気が入り、もう一方からは弁によって空気が入らないようになっているからです。ですので、ペアのうちのもう1枚のリードは裏側にあり、見えていません。

これをクラフトナイフで切り取ります。

取り外せました。

リードフレームの裏表を反転させて、リードパンに戻します。

もともとついていた蜜蝋を、熱した鉄棒などで加熱して軟化させ、リードフレームとリードパンとの隙間を密閉させます。

接着にボンドを使うと簡単に付け外しできなくなってしまうので、蜜蝋が良いのです。

あとはフタを閉めて完成です。

始めてコンサーティーナを開けたときは、ウォーズマンのマスクを外したようなドキドキでした(わかる?)。

コンサーティーナの蛇腹をカラ押しして「コー・ホー」って呼吸すると楽しいですよ!

この程度の修理であれば10分で終わるので、もし皆さんのお手元のコンサーティーナに、リードの付け間違いが見つかったら、この記事を参考にして修理してください。

ゆくゆくはリードの調整や漏気の修理なども習得したいので、これからはフタを開けることも多くなりそうです!

好評をいただいているMcNeela製のコンサーティーナにつきまして、本記事以外にも複数の初期不良・故障が発生しております。そのため、当店にて対象製品をご購入されたお客様に下記サポートをさせていただきます。

https://celtnofue.com/blog/archives/2419

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