当店で販売しているMichael Burke(以下バーク)は、音程や音色やダイナミクスのつけやすさなど総合的に、ティン・ホイッスルのひとつの完成形だと私hataoは考えています。
もちろん、日々の演奏活動でもメインのティン・ホイッスルとして愛用しています。
バークは、丸くふくらんだ樽(Barrel=バレル)に、マウスピースと本体管とが接続された3分割構造で、マウスピースの部分はチューニングの際に抜き差しして長さを調節しますが、本体管の部分は動かしません。
おそらく、半分の長さに分割して短くしてコンパクトに郵便で送るときとか、複雑な形状のバレルの中をメンテナンスするときに抜くくらいで、普段は抜くことはありません。
これらの部品は、バレルの内部に装着したゴム製のオーリング(輪ゴム)によって、なめらかに動くようになっています。
マウスピースと本体管それぞれの部品に対して2つ、合計で4つのオーリングがバレルに装着されています(製造年や楽器によって構造が異なります)。
このオーリングは通常の使用においては交換が必要ないすぐれものですが、完全にマウスピースを抜いてしまったり、激しく抜き差しを繰り返したり、掃除の際にきつく摩擦すると、抜け落ちてしまうことがあります。
オーリングが抜け落ちた際の対処法
今回はD管ブラス・セッションモデルのティン・ホイッスルのオーリングが抜け落ちたというご依頼でした。
▲抜け落ちたオーリング(右の輪ゴム)
まずは、バレル内部に卓上ライトを照らして、どこのオーリングが落ちたのかを特定します。
自分の持っている楽器のバレルともよく見比べます。
今回は初めてこの作業を行ったので、「耳かき」をつかって、溝の位置を確認しました。
戻すには細いツールが必要で、たまたまそばにあったメガネ用のドライバーを使って押し込みましたが、ピンセットがあればなお効率がよかったと思います。
簡単に戻すことができました。
戻したあとは、マウスピースと本体管の摩擦する部分にグリスを塗っておきます。
こうすると、オーリングに負担をかけず落ちにくくなります。
この作業はご自身で行うことができますので、もしオーリングが落ちてしまったら、この記事を参考にして作業してみてください。