ライター:まりお:京都field店 店長
こんにちは、ケルトの笛屋さん京都店店長のマリオです。
バンジョー奏者の大倉さんの監修のもと、当店で取り扱っているテナーバンジョー「CC-IT」の分解作業や組み立て作業にチャレンジしました。
今回はその経験をもとにバンジョーの分解作業の流れをご紹介します。
Gold Tone 4弦 クリップル・クリーク・バンジョー CC-IT
分解や組み立てができる事のメリット
バンジョーのパーツを別のパーツにカスタムしたり、破損したパーツを新しいパーツに付け替えたりできるようになります。
カスタムできるパーツの箇所やパーツの互換性はバンジョーによって異なります。
お持ちのバンジョーの構成やパーツの詳細が不明確だとしても、分解することでどのようなパーツが使われているか知ることができます。
特にトーンリングやヘッドのクラウン(collar)高は外から見て分かりにくいので分解する必要があります。
準備するもの
・大きめの布
バンジョーはたくさんの金属パーツが使用されているので、机の上で分解や組み立てをする際は、楽器や机に傷をつけないように大きめの布を敷きます。
・六角ボックスレンチ・プラスドライバー
CC-ITには付属品として六角レンチと六角ボックスレンチとプラスドライバーが一体になったものがありますので、そちらをお使いください。
・モンキーレンチ
ご自身で準備していただく必要があります。
・カポタスト2つぐらい
弦を無駄にしたくない場合はカポタストを使ってネックと弦を固定しておくと、弦を真っすぐな状態で保てますので、作業中に弦に余計な折り目ができるリスクを減らせます。
リゾネーターの取り外し
CC-ITのリゾネーターはブラケットを介してリムに固定されているだけなので簡単に取り外せます。
付属品のプラスドライバーを使いブラケットからボルトを4箇所外します。
テールピースの取り外し
弦がしっかり緩んでいる事を確認してから六角ボックスレンチを使ってテールピースのナットを緩めて外します。
このときコーディネーターロッドを固定している六角ナットとテールピースのナットの隙間が狭くて六角ボックスレンチが入らない場合があります。
そういった場合は弦をできる限り緩めてからテールピースのナットを引っぱり六角ナットとの隙間を作ります。
テールピースのナットを外したらテールピースに弦がくっついている状態でリムからテールピース本体を外します。
テールピースと弦がくっついている状態のまま外すことで、組み立て作業の際の時間短縮につながります。
コーディネーターロッドの取り外し
モンキーレンチを使ってコーディネーターロッドとリムを固定している六角ナットを緩めます。
テールピース側のリムの内側の六角ナットを2つ緩めます。
続いてリムの外側の六角ナットを外します。
このときテールピースとリムを固定するブラケットも外れます。
最後にコーディネーターロッド本体の中間あたりにある穴にドライバー(金属の棒なら何でもOK)を差し込み、コーディネーターロッドが緩む方向にロッドを外します。
コーディネーターロッドをリムから外すとネックとポットを分離することができます。
アームレストの取り外し
CC-ITのアームレストはテンションフックに挟んで固定しているだけなので、アームレストの六角ボルトを緩めるだけで簡単に外せます。
付属品の六角ボックスレンチとアームレストの六角ボルトは規格が違いますのでモンキーレンチを使って六角ボルトを緩めてアームレストを外します。
ちなみに当店で取り扱っている「IT-17」のアームレストもCC-ITのアームレストと同じ固定方法です。
「IT-250」のアームレストはアームレスト本体の穴にテンションフックを通して固定しています。
僕の所持しているIT-250は「VEGA WIRE STYLE」というアームレストに取り替えました。
このアームレストは両端の穴をテンションフックに通してブラケットシューとフックナットの間に挟んで固定しています。
テンションフックの取り外し
続いてテンションフックを外していきます。
CC-ITは18本のテンションフックがあり、それらの先端に付いているフックナットを付属の六角ボックスレンチを使って外していきます。
このときテンションフックに通して固定されているリゾネータのブラケットも外せます。
フックナットを外したらテンションフックをヘッド側に引っぱって取り外していきます。
テンションフープ、ヘッド、トーンリングの取り外し
全てのテンションフックを外したらテンションフープ→ヘッド→トーンリングの順番に外していきます。
ブラケットシューの取り外し
ブラケットシューはリムの内側からボルトで固定されていますので付属のプラスドライバーで取り外します。
解体作業は以上です。
組み立てる際は、分解作業をさかのぼる形でOKです。
分解して別のパーツにカスタムしたい人は是非参考にしてみてください。
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