【幻のティン・ホイッスル】Michael Copleand

先日、熊野の山奥の家まで遊びに来てくれた、フランス出身・新潟在住のマキシムさん。

なんと新潟でケルト音楽に出会って、それから演奏を始めたそうです。

そのマキシムさんが持っているティン・ホイッスルが、アメリカの伝説的な工房、マイケル・コープランドMichael Copelandのティン・ホイッスルD管でした。

コープランドは90年代に、同じくアメリカの工房マイケル・バークMichael Burkeと並んで人気があった、ハンドメイドのティン・ホイッスル職人です。

確か、2000年代の前半に廃業して、今では非常に入手が難しくなっています。

アメリカの有名アイリッシュバンドSolasのリーダー、シェイマス・イーガンSeamus Eganがロー・ホイッスルを演奏していることで世界中に知られるようになりました。(この動画の真ん中あたりで演奏していますね)

それから、SFドラマシリーズ「スター・トレック」の中で宇宙船の艦長がティン・ホイッスルを吹くシーンがあって、どうやらその笛がコープランドだということを、熱心なファンの方から聞いたことがあります。

当時からコープランドは量産に対応しておらず入手が困難で、オーダー後の待ち時間がとても長いことで知られていました。

私は今を遡ること20年ほど前に、シカゴのフルート/ティン・ホイッスル奏者のLaurence Nugentが来日した際に、彼の演奏で初めてコープランドのティン・ホイッスルを見ました。

今でも演奏していますね。

コープランドの特徴は、ブラス、円錐管ということです。

円錐のティン・ホイッスルとしてはClarkeやShawというブランドがありますが、いずれも量産品であり、ハンドメイドというのは大変めずらしいのです。

また、ロー・ホイッスルは、吹口のところに風除けのでっぱりがあるのが特徴で、どうやら音色を整える作用をするようです。

ブラス製ですから、相当重たいのでしょうね。

ティン・ホイッスルをマキシムさんに吹かせてもらったところ、まるまるとした音色で、息を吹き込む幅が太く、円錐の特徴である高音域の吹きやすさが感じられました。

コープランドさんは、当店でも販売しているSweetoneのマウスピースの開発にも関わっていたという噂です。

このコープランドのティン・ホイッスル、マキシムさんは国内のオークションサイトで購入したとのことですが、本当にラッキーでしたね!

海外のオークションサイトを見ると、中古のティン・ホイッスルが9万円相当で取引されていますので、ロー・ホイッスルとなると20万円は超えるでしょう。

私は今吹いているバークのアルミD管で満足していますが、コレクター心理をくすぐられてしまい、今後、オークションサイトをこまかくチェックしてみようと思いました。

コレクター・アイテムといえば、John Sindt(ジョン・シント)のティン・ホイッスルやPatrick Olwellの竹フルートも、大変貴重な笛ですね。

昔は手に入れやすかったのですが、その時はお金に余裕がなくて、注文をためらったティン・ホイッスルやフルート。

今思えば、少々貧乏を我慢してでも買っておくべきでした!

そして、今市場に出回っている銘器も、個人の職人が作っているわけですから、そのうち入手困難になることは確実です。

ぜひ、手に入るうちに買っておきましょう。

今後、こういったレアなティン・ホイッスルについても書いてみたいと思います。

関連リンク