ライター:hatao
お店のサンプル用にたくさんコレクションしたティン・ホイッスルを、ケースから取り出して、ずらっと並べてディスプレイしたい。
そんな思いから、ホームセンターで材料を買いDUYコーナーの工具を利用して、笛スタンドを試作したのが去年の12月。
その記事はこちら。
https://celtnofue.com/blog/archives/6952
試作品を作ってみて作り方がわかったので、Amazonで工具を買い揃えて、いよいよ本格的な笛スタンドを自作しました。
用意した機材と材料
Amazonで購入したのは卓上ボール盤、座ぐりビット、そして卓上丸ノコです。
いずれも国内メーカーの高儀さんの製品を購入しました。
卓上ボール盤はドリルビットなどをつけて材料に孔を開けるツールで、これで木材に座ぐり(孔を掘る)をします。
座ぐりビットは、Amazonで色々なサイズのものがセットになっている商品を購入し、そこに入っていない8mm~12mmの小さい直径のビットを買い足しました。
卓上丸ノコは丸棒を決まった長さに切るために使います。
前回のようにノコギリで切ってもよいのですが、大量にピンを作る時には効率的にできて便利です。
材料としては、笛の内径に応じたピンを作るために直径8mm, 10mm, 12mm, 15mm, 18mm, 20mm, 24mmの丸棒をホームセンターで購入しました。
土台になる板は、現在自宅のリフォームをしているので、大量に端材が出るため、いくらでも手に入ります。
電動工具を使うと速い!
私の和歌山県の山小屋の隣にある使っていない納屋を掃除して、これらの電動工具を設置。
ヨーロッパで見た笛職人の工房みたいになりました。
さっそくボール盤で板に孔を開けて、丸棒を短く切ってピンにして、立ててみました。
おお!すっぽり入る。
当たり前ですが、孔を開けてそれに合ったサイズのピンを差し込むと、上からハンマーで叩かなくてはいけないくらいきつくはまります。
ここで注意したいのが、座ぐりの際に材料の板を水平に置かないと、孔を開けるときに横にぶれて広がってしまい、ピンがゆるくなる場合があることです。
電動ドリルは便利ですね。
これがなければ、いったいどうやって孔を開けたらよいのかわかりません。
ピンは、笛の内径にぴったりのものであれば短くてもまっすぐ立ちますが、笛との間に1mmほどの隙間があると傾きますので、ピンを長めに取ったほうが安定します。
丸棒が直径1mm単位で売っていないので、ある程度の隙間は仕方ないですね。
完全にフィットさせたければ、笛よりも少し小さい丸棒をピンにして、テフロンテープを巻いて直径を合わせることができます。
苦労した点
座ぐってピンを立てるのは本当に簡単な作業なのですが、笛の内径に合わせてピンの大きさを変えて作っているために、いちいちボール盤のビットを取り替えるのは割と手間でした。
下手に取り付けると、まっすぐ回ってくれないので気を使います。
慣れてきたら、あらかじめビットの大きさを板に鉛筆で記しておき、同じビットの孔はいっぺんに作業してしまうことにしました。
それから、間違って孔を開けてしまった際に、より大きな孔を開けるのは問題ないのですが、孔を大きく開けてしまった場合はどうしようもないです。
木工用ボンドでピンを接着しても笛を立てるとピンごと傾いて、格好が悪いです。
これは、やり直すしかないみたいです。
工夫した点
コレクションの中には先細り円錐管の笛があるのですが、先端の内径に合わせてピンを作っても、先細りの構造ゆえに笛の内部ではピンがブカブカになってしまって、まっすぐに立ちません。
ここは発想を換えてピンを立てずに板に先細りの孔を開けて、笛をそこに挿す方式にしました。
これがとても安定して良いです。
ここで新しいデザインに思い至りました。
ホイッスルはリコーダーの複雑な外見とは異なり、たいていが先端までまっすぐの直管です。
いちいちピンに立てなくても、笛の外径と同じ径の孔を開けて笛を板に直接させば良いのではないでしょうか?
そうすればピンの材料費も節約でき、軽量で、持ち運びが容易なスタンドができます。
その場合は、笛を板に深く挿せないと安定しませんから、2cm程度の孔は必要になるのかなと思います。
今回は必要なスタンドをすべて作ってしまったのですが、次回に作るときには試してみたいです。
また、ロー・ホイッスル・スタンドは京都店の松尾店長からアイデアをもらい、前面から見た時に前後の列が重ならないように2.5cmずらしてピンを立てました。
見ためにさらに美しくなりました。
完成! ずらっと並ぶ笛は壮観!
今回はお店で展示するティン・ホイッスル、高級ハンドメイドのティン・ホイッスル、ローホイッスルのスタンドを作りました。
全部で50本以上になります。
これにヤスリを掛けたりオイルステインを塗ったりすると商品として売れるクオリティになるかもしれませんが、今回はここで完成とします。
ピンの前にそれぞれ番号と商品名を書いたシールを貼って、見て商品名がわかるように、また抜いた笛を戻す時に場所を間違えないようにします。
このサンプルは、今月に移転してスペースが広くなる東京店に設置します。
こうして並べると、お客様が試奏時に便利なほか、スタッフも何が貸し出し中なのかわかりますし、見た目にも美しいし、とても良いですね。
電動糸ノコも手に入れたので、これからは曲線も切り出せますから、壁に設置するフルート掛けを作ってみたいです。
もしこういった笛スタンドを作って欲しいというリクエストがあれば材料費程度で作って差し上げますので、ご相談ください。