出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、アイルランドの民間伝承において重要な役割を果たしている「レン(ミソサザイ)」という小鳥にまつわるイベントについて解説している記事を許可を得て翻訳しました。
原文:Lá an Dreoilín – The Day of the Wren
Lá an Dreoilín – レンの祝日(The Day of the Wren)
アイルランド語で「レン(ミソサザイ)」をdreoilín(ドローリーン)と呼ぶことをご存じでしたか?(「ジョリーン」のように発音します。)実はこのレンは、アイルランドの民間伝承においてとても重要な役割を果たしているのです。
レンの物語
ある日、世界中の鳥たちが集まり、王を選ぶことになったといいます。そのとき、謙虚な小鳥レンは、なんと鷲よりも高く飛ぶことに成功しました。
しかし他の鳥たちは「レンは小さすぎて王にはふさわしくない」と主張し、2度も水に沈めようと試みましたが失敗しました。こうしてレンは「すべての鳥の王(rí na n-éan/リー・ナ・ナーン)」として戴冠されたのです。中には、「wren」という英語の語源が、このrí na n-éanの発音に由来していると言う人もいますが、その説がどこまで本当かはわかりません。
暗い起源
毎年12月26日、Lá an Dreoilín(レンの祝日)は今もケリー、リムリック、ゴールウェイといったアイルランドの農村地帯で行われています。この祭りはもともと、キリスト教の殉教者である聖ステファノの隠れ場所を敵に密告したとされるこの小鳥への罰として、レンを捕まえて葬るという儀式から始まったと伝えられています。
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
レンの歌
今日では、この祭りの暗い意味合いは次第に薄れ、代わりに家族で楽しむイベントとして親しまれています。Wrenboys(レンボーイズ)と呼ばれる子どもや大人たちが仮装し、バウロンやティンホイッスル、ハーモニカなどを演奏しながら大通りをパレードし、次のような歌のバリエーションを歌います。
The Wren Song
The Wran the Wran the King of all birds,
St Stephen’s day was caught in the furzse.
Although he was small his family was great.
Rise up landlady and give us a trate.
Up with the ketel and down with the pan.
A penny on a halfpenny to bury the Wran(NFCS, Naomh Muire, Droichead Átha 0680: 219)
ちなみに、複数のレンをchime of wrens(レンのチャイム)と呼ぶのも興味深いことです。この由来から、私は自分のベストセラーとなった初心者向けコンサーティーナに、この魅力的で印象的な鳥の名前をつけました。
世界のどこにいても、Lá an Dreoilín(レンの祝日)の恵みが皆さんにありますように!