
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、マンドリンを購入する際に押さえておきたい点について解説している記事を許可を得て翻訳しました。
原文:The Irish Mandolin Expert Guide by McNeela
アイルランド音楽のためのマンドリン入門:特徴・奏者・価格帯
新しい楽器を探すときは、まずしっかりと情報収集をすることが大切です。
もしマンドリンの購入を検討しているものの、「何から始めればいいのかわからない」という場合は、ぜひこの短くて役立つガイドを読んでみてください。
アイリッシュ・マンドリンとは?
マンドリンは、中世にまでさかのぼるリュートを起源とする楽器です。現在、世界で主に演奏されているマンドリンは、以下の3種類に分けられます。
- ナポリ型(イタリアン・スタイル)のボウルバック・マンドリン
- アーチトップ・マンドリン
- フラットバック・マンドリン
この中でも、アイルランド音楽で最も一般的に使われているのがフラットバック・マンドリンです。アイルランド音楽の世界では、しばしば「アイリッシュ・マンドリン」と呼ばれています。
マンドリンの特徴
マンドリンは、洋梨型の小さなボディと細いネックを持つ楽器で、8本の弦が2本ずつペア(コース)になって張られています。演奏は、指で指板を押さえながら、ピック(プレクトラム)で弦を弾くスタイルで、バンジョーやブズーキ、ギターとよく似ています。マンドリンとブズーキは関連があると思われがちですが、実は異なる楽器の系統に属しています。マンドリンは、マンドラ、オクターブ・マンドリン、マンドチェロ、マンドベースへと続くファミリーの中で、ソプラノ音域を担当する楽器です。
なぜアイルランド音楽で人気なのか
マンドリンは、長年にわたり伝統音楽家の間で高い人気を誇っています。その理由は、明るく抜けの良い音色やコンパクトなサイズ感だけではありません。
特に大きな理由として、アイリッシュ・フィドルやバンジョー奏者が比較的スムーズに持ち替えられる点が挙げられます。というのも、左手の運指が共通しているため、別の楽器からの移行がしやすいのです。
フィドルとマンドリンは音域が同じで、どちらも GDAE チューニングが基本です。また、アイリッシュ・テナー・バンジョーもGDAEにチューニングされますが、楽器のサイズが大きいため、実際の音は1オクターブ低く鳴ります。
Andy Irvine のような著名なアイリッシュ・マンドリン奏者の中には、ドロップDチューニングを好む人もいます。ただし、これから始める方には、まずはスタンダード・チューニングから始めることを強くおすすめします。

出典 https://blog.mcneelamusic.com/
Aスタイル・マンドリン vs Fスタイル・マンドリン
フラットバック・マンドリンには、大きく分けて2つのスタイルがあります。それが オーバルホール と Fホール です。アイリッシュ・マンドリンは、一般的にフラットバック構造でオーバルホールを持つモデルが主流で、これを Aスタイル・マンドリン と呼びます。この2種類のマンドリンの違いは、見た目の違いが大きなポイントです。Aスタイル・マンドリンは、洋梨型または涙型のボディを持ち、オーバル型のサウンドホールが特徴です。一方、Fスタイル・マンドリンは、ネック付け根の上部(アッパーバウト)にある装飾的なスクロールが大きな特徴で、サウンドホールはバイオリンと同じ形状のFホールが2つ配置されています。
見た目の違いだけでなく、音のキャラクターにも違いがあります。オーバルホール(Aスタイル)のマンドリンは、温かみがあり、木の響きを感じさせる音色を持ち、特に低音域でのサステインや共鳴感に優れています。
一方、Fホール・マンドリンは、明るく、音量があり、立ち上がりの強いサウンドが特徴です。楽器によっては、よりパーカッシブ(打楽器的)な印象を持つこともあります。
伝統的には、オーバルホール・マンドリンはアイリッシュ・トラディショナルやフォーク音楽で多く使われ、Fホール・マンドリンはブルーグラス、カントリー、フォークロックといったジャンルでよく用いられてきました。とはいえ、最終的にはどのスタイルのマンドリンで、どんな音楽を演奏するかは自由です。自分が気に入ったスタイルのマンドリンで、好きな音楽を楽しむのが一番です。

出典 https://blog.mcneelamusic.com/
著名なアイリッシュ・マンドリン奏者たち
音楽的なインスピレーションを探しているなら、ぜひ以下の素晴らしい奏者たちの演奏スタイルをチェックしてみてください。
また、ダブリンを拠点に活動する Conor Lyons が、The Bonny Men の一員として、McNeelaのプレミアム・アイリッシュ・マンドリンを演奏している素晴らしいレコーディングもぜひ聴いてみてください。
実際の演奏を通して、マンドリンの魅力と表現力を存分に感じられるはずです。
マンドリンはどこで購入できる?
マンドリン愛好家にとって嬉しいことに、現在この人気の楽器は幅広い価格帯で入手しやすくなっています。特別に遠くまで探し回らなくても、比較的簡単にショップを見比べてお得な一本を見つけることができます。
マンドリン価格ガイド
マンドリンの価格は、メーカーやモデルによって異なり、150ドル/140ユーロ程度のものから、数千ドルに及ぶものまでさまざまです。どの楽器にも言えることですが、始めたばかりの段階で高額な楽器に投資しすぎる必要はありません。上達して次のステップに進んだときに、改めてグレードアップすれば十分です。一般的に、初心者向けで品質の良いマンドリンは、150〜300ドル/140〜280ユーロ程度が目安となります。他の楽器カテゴリーと比べても、比較的始めやすい価格帯と言えるでしょう。
価格は、ブランド、マンドリンのタイプ、作りのクオリティ、使用されている素材、エレクトリックかアコースティックかといった点によって変わります。また、ヴィンテージ・マンドリンの場合は、楽器のコンディションによって価格が大きく左右されます。
