バウロンのテープはDIYで貼り替えできます

アイルランドのパーカッション「バウロン」は、本来はタンバリンのようにフレームに皮が張ってあるだけのシンプルな姿でした。近年、このバウロンの打面のふちにテープを貼ることによって倍音や残響が抑えられ柔らかい響きが得られることがわかり、現在ではテープを巻いた状態で販売されることが一般的となりました。

さて、先日入荷したバウロンのうち数台が、テープが剥がれた状態で届きました。国内の仕入れであればメーカーに連絡を取って交換してもらうのですが、輸入では送料や税の問題があり、そう簡単にはできません。そこで、自分で貼り替えることにしました。やってみると意外と簡単にできましたので、テープを貼り替えたいと思っている方の参考になればと思いシェアします。

テープが剥がれたバウロン。残念な見た目ですね……。当然このままでは演奏ができません。

まずは剥がれたテープをできるだけたくさん取り去ってください。写真のように、フレームのふちに鋲を打ってバンドでテープを抑えている作りのものは、バンドの下のテープは取ることができませんから、そのラインでカッターを軽く当てて、本体に傷がつかないようにテープを切り取ってください。

テープを巻いていきます。ホームセンターで数百円で購入できる絶縁テープを使います。私が選んだのは「デンカ株式会社」から出ている「ビニテープ」です。高級なものでなくても結構です。おそらく、前のテープが貼ってあった場所に鉛筆などで円が描かれていますから、そのラインが隠れるくらいまで巻きましょう。

巻き始めは、打面からではなく側面から始めてください。打面だけにテープを貼ると、張力で中心にテープが引っ張られてやがて剥がれてしまうのですが、側面から巻くことでその張力に抵抗することができます。鋲でバンドを留めているタイプは、バンドのすぐそばからテープを貼っていきます。

巻く際に気を付けることは、テープを引っ張って伸ばして貼らないことです。一見引っ張ったほうがしっかりと付きそうですが、引っ張ると円の中心に向かって張力が働いて、剥がれやすくなります。力を入れずに、テープを取って上から押し当てるようにして打面に貼ってください。

円形に貼らなくてはいけませんから、親指の先端くらいずつテープを取って貼って…をくりかえしながら、円になるように方向を少しずつ変えていきます。一周したら、テ―プの幅の半分程度ずらして、上に重ねて貼っていきます。こうして鉛筆で書いたラインまでテープを重ねて、最後にテープを切ったら、全体の上から指で体重をかけて圧着させていきます。

作業の様子を動画でご確認ください。

張り終わりました。最初に修理した個体は数日すると剥がれることがあったので、ケースにしまわずに何日か様子を見てください。

以上です。

今回は黒いテープを貼っていますが、この機会にほかの色で貼ってみるとユニークなバウロンになって面白いかもしれません。