出典 https://modernbodhran.com/how-do-i-choose-a-bodhran/
スコットランドのバウロン奏者メリッサ・ウェイト Marissa Waiteさんのブログ記事を、当店でおなじみの翻訳家・村上亮子さんの翻訳でお届けするシリーズ。
今回は、自分に合ったバウロンを探す際に重要なポイントについての記事です!
原文:https://modernbodhran.com/how-do-i-choose-a-bodhran/
新しいバウロンを求める時に心に留めておきたいこと
バウロンを始めようと思っているのでしたら、まず考えるのはどのバウロンを買うべきか、たくさんあるバウロンの中で、どうしたら自分に適したバウロンを選べるかということでしょう。
ここでは具体的にどのバウロンを買うべきだと言うつもりはありません。
そうではなくて、新しいバウロンを探す時に覚えておいてほしいポイントを挙げておきたいと思います。
1.あなたの習熟度
つまり安価な入門レベルのバウロンを買うか、もう少し値の張るものを選ぶかということになってきます。
バウロンを演奏したことがなくて今から始めるのなら、安価な量産品のバウロンをどこの楽器店でもネットでも買うことができます。
大体は浅くてチューニングできないバウロンになると思います。
ある程度演奏経験があって、一つ上のバウロンを買いたいのなら、新しいバウロンはあなたの演奏の質を向上させ、音色を美しく響かせ、さらに気持ちよく演奏できるようになるでしょう。
2.予算
いくら使うことができるかというのも、どのようなバウロンを買えるかを決める大切な指標です。
もし使えるお金が100 ポンド以下(およそ30,000円以下)なら、入門レベルのバウロンになるでしょう。
200ポンド(およそ60,000円)使ってもいいのなら、プロの職人が作った素晴らしいバウロンが手に入ります。
他の楽器と比べると、バウロンは入門楽器と大差ない出費で素晴らしい品を手に入れることができます。
例えばギターなら楽器を誂えるのに何千ポンドもかかります。
比較として私が5年以上使っているプロ仕様のバウロンは450ポンド (およそ70,000円)です。
最初に入門レベルの楽器もいいですが、それほど多くない出費であなたの演奏と経験を向上させることができるということは、心に留めておいてください。
バウロンの値段が上がると、使われる革がよくなります。
すると艶のある深い音色になり、学習にも演奏にも大きな差ができてきます。
おそらくリムも大きくなるでしょう。
そうすると演奏しやすくなります。
最初の一台としてChristian HedwitschakのCoreLineをお勧めします。
このバウロンは品質も高く明るい音色です。
3.何に使うか
家で、独りで演奏しますか?
レッスンを受けてパブでセッションをしますか?
毎週末ギグで使うバウロン、レコーディングのための、スタジオでマイクを通して音が映えるバウロンが必要ですか?
新しいバウロンを買うときには、このようなことを全て考慮する必要があります。
4.実際に触ってみて
バウロンの大きさは直径で表し、普通は13インチから18インチです。
個人的な好みや、体の大きさで、演奏しやすいと感じるサイズは様々です。
私は、最近は小さいバウロン(13インチ)で演奏するのが好きで、バウロンの上に覆いかぶさるようなことがありません。
でも大きなバウロンでやっていたこともあり、そういった大きなバウロンもいいものです。
少し背の高い方は直径の小さなバウロンを長く叩くと前かがみになってくるかもしれません。演奏に影響を与える要因は他にもあります。
クロス・バー、リムの深さ、リムの一部が切り取ってある、リムにカーブがついている、などです。
5.チューニングできるか
これは決定的なことではありませんが、私はチューニングのできるバウロンを購入することをお勧めします。
チューニングできないバウロンでも、手で調節することができますが、チューニングするのと同じような融通性や反応は期待できません。
特に私がバウロンの音を教えるやり方では、チューニングできることが大きな利点となるのです。
もしあなたのバウロンがチューニングできないなら、いつも高いか、低いかどちらかになってしまいます。
たいがいは高すぎることが多く、つまり革がきつく張り過ぎていて圧をかけにくいのです。
その結果、生徒はトーン・テクニックを上手にできていないと思ってしまいますが、実は使っているバウロンの革の質に帰することがあるのです。
個人の好み
新しいバウロンを買うときに心に留めておかなければならないことを全て網羅したものではなく、自分に合ったバウロンを見つけるために色々と探してみる時の、ちょっと心に留めておくべき簡単な案内として書きました。
結局、楽器を選ぶということは全く個人的なことで、個人の好みに帰する面が多くあると思います。
1つ覚えておいてほしいのは、あこがれのバウロン奏者が演奏しているのを見て、彼が演奏しているから、という理由で同じバウロンを買ってはいけないということです。
卓越したバウロン奏者ならどんなバウロンでも上手に響かせることができます。
ですから、これは着想またバウロン探しの起点として使い、自分のバウロンに何を求めるのか考えて決めてください。
いいバウロンに出会えますように!
こちらのリストは私が使っている、あるいは今までに所有したことのあるバウロンの製作者です。
これは、ほんの一例です。
他にも多くの製作者がいて素晴らしいバウロンを作っていて、それぞれがユニークなスタイルを持っています。
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