出典 https://blog.mcneelamusic.com/
アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、コンサーティーナ、アイリッシュフルート、フィドルをセッションで演奏できるように上達するまでの時間についてまとめた記事をご紹介します。
原文:Which Irish Instrument is the Easiest to Learn?
あなたにぴったりのアイルランド楽器はどれ?
アイリッシュコンサーティーナ、アイリッシュ・フィドル、アイリッシュ・フルートを習得するのは簡単でしょうか? この3つは、現在最も人気のあるアイルランド楽器で、初心者の注目を集めています。しかし、セッションで演奏ができるようになるには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
そこで今回は、全く異なる楽器でありながら、多くの人に愛されている3つの楽器を取り上げ、それぞれの学習曲線がどのようなものかを見てみました。
どの楽器が一番早く、あるいは簡単に習得できるのか気になる方は、ぜひご覧ください。この簡単なガイドでは、習得の速さ(または遅さ)と、曲を演奏できるようになるまでにかかる時間の目安をお伝えします。
コンサーティーナ
出典 https://blog.mcneelamusic.com/
数週間で自分ひとりで音楽が奏でられる楽器が欲しいなら、コンサーティーナはいかがでしょう。アングロ・コンサーティーナは「バイソノリック」という楽器です。つまり、蛇腹が開くか閉じるかによって、それぞれのボタンから2つの異なる音が出るのです。すべての音がそこにあり、あなたが音を見つけるのを待っているのです。
運指表があれば、コンサーティーナで音を探して演奏するのはとても簡単です。蛇腹の押し引きの技術の習得には少し練習が必要ですが、簡単に身につけることができます。コンサーティーナを始めて1週間もしないうちに、簡単な曲が弾けるようになる生徒も珍しくありません。ですから、曲を奏でるという点では、かなり早く上達することができるでしょう。
難しいのはその後です。コンサーティーナでアイルランド音楽をマスターするのは何年もかかります。大演奏家のノエル・ヒルを見てください。ノエルは1967年からコンサーティーナを演奏していて、「まだ完全にはマスターしていない」と言うのです。なんと長い道のりでしょう!
アイリッシュ・フルート
もしあなたが健康な肺を持ち、それを鍛えることを苦にしないのであれば、フルートはアイルランド楽器の最初の選択肢となるかもしれません。ただし、ご注意を。筆者自身がフルート奏者であるため、私の意見は偏っているかもしれません。
アイリッシュ・フルートは、ティン・ホイッスルの指使いに似ており、リコーダーとも共通点があるので、学校でそれらを習っていれば、音符をたどるのは問題ないでしょう。もしあなたがすでにティン・ホイッスルを吹いているのなら、すぐにでもフルートが吹けるようになることでしょう。
初心者にとって非常に難しいのは、実際に楽器から音を出すことです。そこで登場するのがアンブシュアです。アンブシュアとは、フルートの開口部(マウスピース)の上に唇を置くときの形と位置のことです。
最初の練習では、頭がぼーっとしたり、少しめまいがしたりするかもしれませんが、息のコントロールに慣れてくれば、そんなことはありません。ここでは、呼吸の練習があなたの味方です。
指のストレッチも必要です。現代のアイルランドのシンプル・システム・フルートは19世紀の指孔の幅が広いフルートを元にしているので、手の小さい人や指の短い人は、指のストレッチをするとよいでしょう。また、クラシックフルート奏者のやり方でなくパイプ奏者のように指孔を押さえましょう。
もしあなたがすでにクラシックの訓練を受けているのであれば、その訓練の一部を(全てではありませんが)忘れる必要があるかもしれません。アイルランドの伝統的なフルート演奏は、クラシック演奏よりもタンギングが少なく、使用する装飾品も異なります。しかし、今までの技術を生かすことで、より早く上達することができます。
この美しい管楽器は、アンブシュアと呼吸をマスターすれば、比較的簡単に曲を覚えることができます。特に指使いをマスターしていれば、なおさらです。でも、人に聴かようと思うなら半年くらいはかかるかもしれませんね。その間に、これらの先駆的なフルート奏者や彼らのユニークな演奏スタイルからインスピレーションを得たり、偉大な Neansaí Ní Choisdealbha の演奏を聴いてみるのもいいかもしれません。
アイリッシュ・フィドル
もしあなたが頑固な性格なら、フィドルはあなたにぴったりの楽器かもしれません。このポピュラーな弦楽器は習得が難しいことで有名ですが、絶望することはありません。習得のためにがんばっても誰も損することはありませんから。
フィドルの音を出すためには、チューニングをする前に、いくつかのテクニックを身につける必要があります。コンサーティーナでは、演奏するすべての音がすでにチューニングされていますが、フルートのように、フィドルの音程は演奏者が楽器とどう接するかによって決まります。専門家のリアム・オコナー Liam O’Connor氏によると、優れたフィドル奏者には、優れた耳、優れた弓のテクニック、正確な指の配置が必要だということです。
一般的に、バイオリンから良い音を出すには3年かかると言われています。しかし、これとは逆の話もたくさんあり、あらゆる年齢層がバイオリンに親しんでいます。良い点は、いつか演奏できるようになったとしたら、それは普遍的に賞賛される楽器、かつ伝統的なアイルランド音楽のシーンで最も顕著で汎用性の高い楽器が演奏できるということを意味することです。
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始めよう!
今がチャンスです。アイルランドの楽器を始めようかどうか迷っている方、子供の頃に習った楽器をもう一度習おうと考えている方、迷うのはもうやめましょう。今日から始めましょう。
どんな楽器でも、マスターするには技術が必要です。最も重要なことは、練習することです。理想を言えば、新しい技術を完璧にするために、できるだけ多くの時間を自分に与えるべきです。
始めるには歳を取りすぎているとお考えですか? 楽器を始めるのに遅すぎるということはありません。実際、音楽はすべての年齢層で、しかし最も顕著に60歳以上の年齢層で脳機能を向上させることが科学的に証明されています。
そこまで聞いて何を待っているのでしょうか? 当店ではあなたにぴったりの楽器が見つかるはずです。もし、今回取り上げた楽器がお好みでない場合は、アイルランドの伝統的な楽器を他にもたくさん取り揃えております。