ライター:hatao
ケルト音楽ファンのみなさん、こんにちは! ケルトの笛のhataoです。
「ケルト音楽」と聞いて最初に思い浮かぶのはアイルランドの音楽という方が大半ではないでしょうか。
ケルトは、ヨーロッパ古代のケルト諸語を話す集団。
彼らはすでに存在していませんが、ケルトにまつわる音楽が「ケルト音楽」のコンセプトなので、実はアイルランド以外のもっと広い地域が含まれます。
ケルトに由来のある各地域には、魅力的な伝統音楽があります。
大人気のアイルランド音楽に比べてなかなか情報を得にくい各地域の伝統音楽。
今回は、僕が大好きなフランス北西部ブルターニュ半島の伝統音楽について、楽譜の探し方をご紹介します。
魅力的なブルターニュ音楽
アイルランド音楽のCDを聴いていると、ときどきブルターニュの曲がメドレーに入っていることがあります。
特に人気アイリッシュ・バンドLunasaは毎回CDの中に必ず1曲は入れてきます。
アイルランド音楽家にとってブルターニュ音楽は「カッコいい」音楽として認識されているようです。
僕が招聘(しょうへい)したフルートのJean-Michel VeillonさんやSylvain Barouさんを筆頭に、バカテクの奏者が多いことも魅力のひとつ。
そんなブルターニュ音楽ですが、言語が英語ではないことや、アイルランド音楽のような型や標準がないこと、商業的に世界で成功した音楽家が少ないことなどの要因のためか、いまいち体系的な情報が手に入りにくいのです。
ブルターニュの曲には惹かれるけれど、とっかかりがない…。
そこで、楽譜の探し方をご紹介します。
ブルターニュ音楽の楽譜を探せるサイト
ブルターニュ音楽は口伝の音楽ですので、楽譜は使われません。
そのため、出版された楽譜も少ないのです。
少なくとも、アイルランド音楽の「セッション曲集」のような楽譜は市販されていませんし、また地域性が豊かなためスタンダードな曲も存在しません。
少しでも手がかりを得たいと思っていたところ、フランスでハープを習得されたハープ奏者のYukiさんから、楽譜が掲載されているサイトを教えていただきました。
まず、ご使用前に以下の点をご留意ください。
- 愛好家の独自のサイトばかりで仕様が古い
- 伝統音楽であっても、楽譜採譜者に編集者としての著作権が存在する場合がある
僕の個人的な感覚ではフランスはアイルランドよりも著作権には敏感な印象がありますので、ご使用に際してはご注意ください。
※以下はYukiさんの文章を転載します。
パブリックドメインの伝統音楽の楽譜を集めたサイト。
古い仕様ですが、掲載されている曲数が多いです。(上記のリンクは、検索ボックスに「ブルターニュ」、と入力したページになります。)
使用方法
曲名をクリック→右側Téléchargements(ダウンロード)のJPG、PNG、MIDIなど希望のファイル形式をクリック。
自動的にダウンロードがはじまります。
主に伝統音楽、オリジナル曲の掲載もあります。
ブルトン音楽で300曲程度。(真ん中に小さくpage1〜15、とあり次のページに飛べます。)
ブルターニュ民謡に特化したサイト
「Songs」から確認いただけます。
フランス国内外の民謡などを集めたサイト。
上記は、フランスの地方ごとに分類したページになります。
使用方法
曲名をクリック、PDFの楽譜をクリックすると自動でダウンロード開始。
1日3回ダウンロード可能です。
フランス全土の、民謡のページ(楽譜あり)です。
hataoが見つけた楽譜集
僕はCDから曲を見つけることがほとんどです。
ブルターニュ音楽は短いため、すぐに音を取ることができます。
そのため楽譜を使うことはまれですが、以下の楽譜を知っていますので、ご紹介します。
・Traditional Breton Dance Tunes: Fest Breizh
アメリカのMelBayから出版された本で、英語で読める貴重な情報源です。
・Des partitions de musique traditionnelle
タイトルから曲を選んでPDF形式でダウンロードできます。
・Breton tunes noted by Éric Mac Lewis
PDF形式でダウンロードできます。
ボンバルドやビニウ向けなのかフラット系の調性の曲が多いです。
アメリカのLark Campでは毎年ブルトン音楽の講習会が開催されます。
その楽譜をアップロードしたものを、検索で見つけることができます。
“Lark Camp Breton tunes”で検索してみてください。
他にも出版物があるのですが、入手困難ですのでここでは紹介いたしません。
ご興味がある方は当店までお問い合わせください。