ライター:hatao
複雑な渓谷美を成すフィヨルド、夏の白夜や冬のオーロラといった美しい自然で知られる北欧の国ノルウェーには、豊かな音楽の伝統があります。
中でもとりわけ美しいのは、ヴァイオリンの仲間である伝統楽器ハーディング・フェーレ(hardingfele)の音楽。
華麗に装飾された楽器で奏でられる、渓谷の村々に伝わる独奏の芸術です。
※ハーディング・フェーレについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
そのハーディングフェーレで、ノルウェーでも伝承者の少ない貴重な伝統音楽を現地で直接学んだ、音楽家で音楽民族学者の酒井絵美さんのソロCD作品が、2020年12月27日に発表されました。
タイトルは「Vetla Jento Mi ~ハーディングフェーレ伝統曲集~」です。
本作品では、ノルウェーで1964年に製作された楽器と日本人製作者である原圭佑さんが2016年に製作した二丁の楽器を使い、独奏によるノルウェー伝統曲を6トラック収録しています。
酒井さんが習ったレパートリーを中心に選曲されており、ノルウェー伝統音楽のスタイルにのっとった正統派の演奏で、端正で美しい音楽を楽しむことができます。
本作品は観賞用のCDとして聴き応えがあることはもちろんのこと、フルカラーのブックレットには左ページには曲の背景の演奏上の解説、そして右ページには楽譜という構成で各曲が詳しく紹介されており資料としての価値も高く、演奏を志す方にとって入門の手がかりを与えることでしょう。
当店でも取り扱っていますので、こちらからご注文ください。
酒井絵美「Vetla Jento Mi ~ハーディングフェーレ伝統曲集~」
解説と紹介動画は、酒井絵美さんのホームページに詳しく掲載されていますのでご覧ください。
静かな冬の日に北欧の神秘的な自然を思い描きながら、ハーディングフェーレの響きを楽しんでみてはいかがでしょうか。