ライター:hatao
新型コロナウィルスの世界的流行により、アイルランド音楽の重要な活動であるセッションが開催しにくい状況が続いています。
愛好家からはセッションやケイリー(ダンスの会)に参加できずモチベーションを維持するのが困難だという声が聞かれ、仲間と集まることが最大の楽しみのひとつだったアイルランド音楽愛好家にとって想定外の危機を迎えています。
そんな中でアメリカ・マサチューセッツ州のフルート奏者シャノン・ヒートンさんと夫でギタリストのマット・ヒートンさんは2020年4月より毎週、YouTubeでオンライン・アイリッシュ・セッションを開催しています。
▲21年1月9日のオンライン・セッションの様子
この活動は、シャノンさんとフィドル奏者のEllery Kleinさんが中心となりマサチューセッツ州のArmoryという建物を借りて毎週行っていた定期セッションが元になっています。
Monthly Guided Session at the Armory
コロナウィルス流行後はセッション活動をオンラインに切り替えて行っており、そのおかげで世界中から参加することができるようになりました。
YouTubeライブの放送中はチャット欄にヨーロッパや南米など世界各地からあいさつが書き込まれ、その数は回を重ねる毎に多くなっています。
セッションはアメリカ東部時間の毎週土曜日の昼(日本時間の翌日の日曜日の早朝4時から)1時間ほど開催されています。
Zoomなどでのセッションとは異なり、参加者の顔や音声はYouTubeに表示されないため参加者はシャノンさんたちの演奏を聴きながら演奏をする方式となっています。
セッションで演奏する曲は毎回シャノンさんが選曲し、参加者からのリクエストにも応じています。
セッションで演奏した曲目はコメント欄に詳細が載りますので、とても親切です。
▲21年1月9日のコメント欄より
シャノンさんは2019年に日本のバンドtricolorの招きで来日したことがあり日本のアイリッシュ界隈でも良く知られています。
いつも朗らかで知的なヒートン夫婦のセッションは、コロナウィルスがもたらした暗い世相の中で、希望と喜びを与えてくれる存在です。
アメリカとの時差のために日本からは参加しにくいものの、早起きが得意な方はリアルタイムで参加してみてください。
楽器を演奏する代わりにチャット欄であいさつコメントを送れば、きっとよろこんで読み上げてくれるものと思います。
毎回セッションの終わりに、世界各地の色々な言語で「ありがとう」と言って終わるのも、とても親しみが感じられて素敵です。
こちらのチャンネルでは過去の放送もアーカイブとして残っていますので、ぜひ一度見てみてください。
https://www.youtube.com/user/ShannonHeatonMusic
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