ライター:櫻井静
ティンホイッスルは、高音の独特な音色が特徴の縦笛です。アイルランドやスコットランド、イングランドの音楽で使用されていますが、タイタニックのテーマなど、身近な音楽にも取り入れられていることで有名ですね。実はJ-POPにも使用されています。この記事ではティンホイッスルの音色を楽しめるJ-POP曲を10曲ご紹介します。
「世界に一つだけの花」(SMAP)
- 「世界に一つだけの花」(SMAP)
- 作曲:槇原敬之
言わずと知れたJ-POPの名曲、「世界に一つだけの花」は2003年にリリースされて以来、累計300万枚以上の大ヒットを記録しています。冒頭の高音の笛の音が耳に残っている方も多いのではないでしょうか。この曲では冒頭、前奏などの旋律がティンホイッスルで演奏されています。
「四つ葉のクローバー」(槇原敬之)
- 「四つ葉のクローバー」(槇原敬之)
- 作曲:槇原敬之
世界に一つだけの花の作曲者である槇原敬之は、他にもケルト風の音楽を作っています。2012年の43枚目のシングル「四つ葉のクローバー」は、タイトルからも分かるように、アイルランドを強く意識した作品となっています(アイルランドで幸運のシンボルとされているクローバーは三つ葉ですが)。楽器編成はティンホイッスル、フィドル、アコーディオンなどで、民族音楽らしいサウンドが楽しめます。この年、槇原敬之が実際にアイルランドを訪れ、インスピレーションを得たとのこと。拍子もJ-POPには決して多くはない8分の6拍子と、アイルランドのジグを意識したと思われるノリになっています。TBS「世界癒しの旅シリーズ」の第3弾「槇原敬之 アイルランド音楽紀行」の番組内で、現地でティンホイッスルを購入し練習中だとも語っています。また、この曲がタイアップされているフジテレビ系ドラマ「ゴーイング・マイ・ホーム」の作中では、ケルト神話を思わせる「小人」が登場しているというのですから、興味深いですね。
「Hey Ho」(SEKAI NO OWARI)
- 「Hey Ho」(SEKAI NO OWARI)
- 作曲:Nakajin
冒頭のフィドルが印象的なこの曲は、2016年リリースのアルバム「Hey Ho」の一曲目。曲全体としては、ボーカルのメロディや、キーボードのサウンドにはいつものセカオワらしさがありながらも、リズムはアイルランドのジグが取り入れられています。終盤、24小節に渡りリールを取り入れたインストソロ部分があり、ティンホイッスルとフィドルのソロサウンドが楽しめます。
「やがて」(森山直太郎)
- 「やがて」(森山直太郎)
- 作曲:森山直太朗・御徒町凧 ティンホイッスル奏者:hatao
2018年リリース、アルバム「822」より、フォークテイストの曲調に、ティンホイッスルとバンジョーのサウンドが印象的な一曲です。ティンホイッスルを演奏しているのは、このブログを運営しているケルトの笛屋さん代表のhatao。音楽家としてキャリアの長い彼の超絶技巧の演奏には驚かされます。
「今、咲き誇る花たちよ」(コブクロ)
- 「今、咲き誇る花たちよ」(コブクロ)
- 作曲:小渕健太郎
2014年リリースの「今、咲き誇る花たちよ」はNHKソチオリンピック・パラリンピックのテーマソングです。ジグ風の8分の6拍子のノリで、印象的な主題の部分にティンホイッスルが使用されています。
「虹」(手嶌葵)
- 「虹」(手嶌葵)
- 作曲:新居昭乃・保刈久明
2008年リリース、映画「西の魔女が死んだ」主題歌の「虹」は、ピアノと手嶌葵のささやくような優しい歌声がマッチしたバラードです。2番まで歌い上げたあとの盛り上がりで、エアー調のティンホイッスルソロが入っており、美しくも切ない音色が味わえます。
「春の夜に」(手嶌葵)
- 「春の夜に」(手嶌葵)
- 作曲:谷山浩子
2006年リリース、ジブリ映画「ゲド戦記」の挿入歌を集めたアルバム「ゲド戦記歌集」に収録された一曲。ピアノとボーカルに、ローホイッスルの音色が優しく寄り添うような曲になっています。
「禁断のレジスタンス」(水樹奈々)
- 「禁断のレジスタンス」(水樹奈々)
- 作曲:加藤裕介
2014年リリース、アルバム「禁断のレジスタンス」より。ここまでご紹介した曲とは一転、スピード感のある曲調となっています。ティンホイッスルはフィドルとともに細かく速い動きで合いの手を入れ、曲に花を添えます。
「SEVEN」(水樹奈々)
- 「SEVEN」(水樹奈々)
- 作曲:水樹奈々
2007年リリースのアルバム「GREAT ACTIVITY」に収録された一曲。冒頭ではハープが使用され、幻想的な雰囲気の中、曲が始まります。ローホイッスルが使用されています。
「Yeah!めっちゃストレス」(ゴールデンボンバー)
- 「Yeah!めっちゃストレス」(ゴールデンボンバー)
- 作曲:鬼龍院翔 ティンホイッスル奏者:ぱとり
2023年リリース、アルバム「COMPACT DISC」に収録されています。日常のストレスをおもしろおかしく歌う歌詞と、フォルクローレのような民族音楽サウンドの組み合わせが新鮮です。ゴールデンボンバーの鬼龍院翔は、癒される音楽を探していたところ、ケルト音楽にハマったということで、アイルランド現地の伝統音楽祭を訪問したりしているとのことです。
J-POPでも活躍しているティンホイッスル、あなたも吹いてみませんか?