はじめてのボタン・アコーディオン よくある疑問10選


出典 https://blog.mcneelamusic.com/

アイルランドの楽器メーカーMcNeelaが公開しているブログの中から、ボタン・アコーディオンについて多く寄せられる質問について解説している記事を許可を得て翻訳しました。

原文:FAQ: The Top 10 Most Asked Questions About The Button Accordion

はじめてのボタン・アコーディオン よくある疑問10選

今回は、ボタン・アコーディオンについて最もよく寄せられる質問を取り上げていきます。

この魅力的な楽器は、世界中のさまざまな音楽文化で使われており、ジャズやクラシック音楽の演奏にも用いられています。当然ながら、この人気のフリーリード楽器には多くの誤解や混乱がつきまとっていますので、いつもどおり、私が皆さんのお手伝いをし、知っておくべきことをすべてお伝えしていきます。

それでは始めましょう。

1. ボタン・アコーディオンにはどのような種類がありますか?

ボタン・アコーディオンは、大きく分けてダイアトニック・アコーディオンとクロマチック・アコーディオンの2種類に分類されます。

2. ダイアトニック・アコーディオンとは何ですか?

ダイアトニック楽器とは、長音階(メジャースケール)に含まれる音をすべて備えている楽器のことです。ダイアトニック・アコーディオンはバイソノリック楽器であり、蛇腹を押すか引くか(広げるか縮めるか)によって、1つのボタンから異なる2つの音が鳴ります。

3. クロマチック・ボタン・アコーディオンとは何ですか?

クロマチック・ボタン・アコーディオンは、主にジャズ、クラシック、または東ヨーロッパやバルカン地方のフォーク音楽を演奏するために使われるアコーディオンの一種です。トレブル側のボタンは3列から5列までさまざまで、ピアノ・アコーディオンと同様に、最大120ボタンのストラデラ・ベースStradella bassを備えているものもあります。

クロマチック・ボタン・アコーディオンはユニソノリック楽器であり、蛇腹を押しても引いても、各ボタンからは同じ音が鳴ります。

以下の動画では、アイルランド屈指のクロマチック・ボタン・アコーディオン奏者であるダーモット・ダンの演奏をご覧いただけます。

4. アイリッシュ・ボタン・アコーディオンとは何ですか?

アイリッシュ・ボタン・アコーディオンは、2列配列のダイアトニック・アコーディオンです。アイルランドの伝統音楽で最も一般的に演奏されているボタン・アコーディオンは、鍵盤側に2列配列で21個または23個のボタンを備え、反対側には8つのベース・ボタンを持つものが典型的です。

アイリッシュ・ボタン・アコーディオンは、2つの調の組み合わせに調律されていることが多く、BメジャーとCメジャーの組み合わせ(B/Cチューニング)か、C♯メジャーとDメジャーの組み合わせ(C♯/Dチューニング)が主流です。他にもさまざまなチューニング方式はありますが、アイリッシュ音楽の世界ではこれらが最も人気があります。

二つのチューニング・システムの違いを知るには、こちらのブログ記事をご参照ください。

ボタン・アコーディオンは、B/CとC#/Dのどちらの配列がアイルランドの伝統音楽に向いていますか?


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5. アイリッシュ・ボタン・アコーディオンとピアノ・アコーディオンの違いは何ですか?

主な違いは、鍵盤、つまりフィンガーボードの構造にあります。

フィンガーボードの配列

ピアノ・アコーディオンは、ピアノのような鍵盤を備えており、側面にキーボードとして一列に並んでいます。ピアノと同様に、各鍵盤は1つの音だけを鳴らします。一方で、ボタン・アコーディオンは小さな丸いボタンを備えており、蛇腹を押すか引くかによって、1つのボタンから異なる2つの音を鳴らすことができます。

ベース側の配列

ボタン・アコーディオンは通常8個から12個のベース・ボタンを備えていますが、ピアノ・アコーディオンはストラデラ・ベースを採用しており、最大で120個以上のベース・ボタンを持つことがあります。これらの追加されたベース音のために多くのリードが必要となるため、ピアノ・アコーディオンは一般的にアイリッシュ・ボタン・アコーディオンよりもかなり大きく、重い楽器になります。

アイルランドのピアノアコーディオンについて詳しく知りたい方は、こちらのブログ記事をご覧ください。

押さえておきたい3人の先駆的なピアノ・アコーディオン奏者

6. ボタン・アコーディオンとメロディオンの違いは何ですか?

アイリッシュ音楽において、メロディオンは小型の1列配列のアコーディオンで、通常は調律された1つの調でしか演奏できません。中には、別の調で演奏するために必要な臨時記号や追加音を補う目的で、内側に3つだけの補助的なボタン列を備えているメロディオンもありますが、多くの場合、演奏できるレパートリーには制限があります。

一方、アイリッシュ・ボタン・アコーディオンは2列配列のアコーディオンで、内側の列が1つの調に、外側の列が別の調に調律されています。これにより、演奏者は複数の調で演奏することが可能になり、他のミュージシャンと一緒に演奏したいアコーディオン奏者にとっては重要な特徴となっています。

つまり、ボタンが1列だけであればメロディオン、2列であればアイリッシュ・ボタン・アコーディオンです。以下の動画では、この小さくも力強い楽器の可能性を存分に示す、伝説的な奏者ボビー・ガーディナーの演奏をお聴きいただけます。

7. ボタン・アコーディオンとコンサーティーナの違いは何ですか?

コンサーティーナとアコーディオンの最も分かりやすい違いは、サイズ、形状、音色、そしてボタンの配置にあります。

サイズと形状

コンサーティーナは小型で六角形の形をした楽器ですが、アコーディオンはより大きく、やや長方形に近い形をしています。

音色

コンサーティーナは、アコーディオンに比べて音量が控えめで、より明るくはっきりとした音色を持っています。

ボタン配置

たとえば30ボタンのアングロ・コンサーティーナの場合、左右それぞれに旋律用のボタンが3列ずつ配置されています。これらのボタンはすべてメロディを演奏するためのもので、ベース用のボタンは存在しません。一方、一般的なボタン・アコーディオンは、右手側に2列のボタンからなるフィンガーボードを備え、左手側にはベース・ボタンを備えています。


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8. ボタン・アコーディオンは習得が難しいですか?

ボタン・アコーディオンは、比較的シンプルで学びやすい楽器です。どんな楽器でも同じですが、上達して使いこなすには時間と努力が必要です。ただ、始めること自体はそれほど難しくありません。ボタンの配列を頭で理解し、指が慣れてくれば、すぐに曲を演奏できるようになります。

以前は、初心者の演奏者がアコーディオンの重さに苦労することもありましたが、現在のアイリッシュ・ボタン・アコーディオンは、はるかに軽量でコンパクトになっています。そのため、年齢を問わず多くの人が手に取りやすい楽器になっています。

9. どのタイプのアコーディオンがいちばん弾きやすいですか?

どれが最も簡単かは一概には言えませんが、最も難しいタイプのアコーディオンがクロマチック・ボタン・アコーディオンであることは間違いありません。では、最も弾きやすいのはどれかというと、アイリッシュ・ボタン・アコーディオンとピアノ・アコーディオンのどちらも同程度と言えるでしょう。

ピアノ・アコーディオンの長所と短所

ピアノ・アコーディオンはボタン・アコーディオンに比べてサイズが大きく、その分重いため、構えて演奏するのがやや大変です。しかし、フィンガーボードの配列はピアノと非常によく似ているため、すでにピアノを弾いたことがある人にとっては、とても取っつきやすい構造になっています。ストラデラ・ベースはボタンの数が多いため、最初は圧倒されるかもしれませんが、五度圏に基づいた配置になっており、論理的かつ音楽的に理解しやすいため、正しい音を見つけやすくなっています。

アイリッシュ・ボタン・アコーディオンの長所と短所

現代のアイリッシュ・ボタン・アコーディオンは、ピアノ・アコーディオンに比べてはるかに軽量でコンパクトです。右手側には2列のボタン、左手側には8個から12個のベース・ボタンしかないため、クロマチック・アコーディオンほど威圧感はありません。ボタンの配列はピアノ・アコーディオンほど直感的に見えないかもしれませんが、音の並びを一度覚えてしまえば、指の移動距離が短いという利点があり、少ない力でスピーディーな演奏が可能になります。


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10. なぜボタン・アコーディオンはこれほど人気があるのですか?

アコーディオンがアイリッシュ音楽の中で広く普及した主な理由のひとつは、20世紀初頭の時代に、アコーディオンが比較的手に入りやすく、数も多く流通していたことにあります。アイルランドの人々が大量に移住していたアメリカやイギリスから、親戚が帰省したり訪ねてきたりする際に、アコーディオンを持ち帰ってくることがよくありました。

アコーディオンは非常に汎用性の高い楽器で、ソロでメロディを演奏することも、ベース伴奏を加えることもできます。また、十分な音量が出るため、ダンサーのために演奏するのにも最適で、これはアイリッシュ・フォーク音楽においてとても重要な要素です。その結果、ケーリー・バンドの編成の中でも非常に人気のある楽器となりました。

さらに、Paddy O’Brien、Joe Burke、Finbarr Dwyer、Joe Cooley、Jackie Daley、Máirtín O’Connor、Tony MacMahon、Bobby Gardiner、Benny McCarthy、Seán Óg Graham,といった伝説的な奏者たちの手によって、ボタン・アコーディオンは高度な技巧を誇るソロ楽器としての地位を確立し、アイリッシュ・トラディショナル音楽の中で確固たる存在となっていきました。


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